唐辛子の名産地、忠清北道・槐山郡のブッコチュとマッコリ

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日本に居ながらにして、自宅に居ながらにして楽しめる韓国。

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1回目(韓国ロスを癒やす「日本で楽しむ韓国」vol.1【話題の映画】)に続く2回目の話題は、マッコリ。

幸い、今は都市部に多い韓国食材店に出向かなくても、通販などで韓国のマッコリを手に入れることができる。

日本にある韓国食材の通販会社、(株)瑞韓に聞いたところ、もっとも売れているのは「ソウル月梅マッコリ」だそうだ。

ソウルでは圧倒的なシェアを誇る長壽生マッコリと同じ会社の製品で、生ではないが、炭酸が充填されているので、日本の旅行者がソウルでよく飲んでいるマッコリに近い味が楽しめる。

今回から数回に渡り、本場韓国の人がマッコリに合わせているおつまみを紹介しよう。韓国と日本は共通する食材が多いので、自宅でも簡単に再現できるだろう。

豚肉を茹でたり、蒸し煮したり

冷蔵庫にある豚肉をただ茹でたり、蒸し煮したりして、食べやすい大きさにスライスするだけで、韓国ではスユクとかピョニュクと呼ばれるつまみができあがる。

旨味を逃がさないためにタジン鍋を使ってもいい。豚肉の匂いが気になる人は生ニンニクを加えて煮るといいだろう。

火を通す過程では味付けせず、塩、または塩+ゴマ油をつけるだけで、マッコリに合うつまみになる。何もつけない豚肉を白菜キムチといっしょに口に運ぶのもいい。

白菜キムチでは平凡だと言う人にはニラのキムチをおすすめする。

釜山のテジクッパ(豚肉の汁かけ飯)専門店でよく見かける食べ方だ。ふだんなら匂いが気になるところだが、在宅ワークの多い今なら思いっきり食べられるだろう。

豚肉はどの部位でもかまわない。脂っこいものが苦手な人は赤身が多いものを使ってもいいが、筆者は脂の多いものが好み。脂のコクとキムチの塩味が口中で混ざったところにマッコリを注いだら最高だ。

日本に蕎麦屋飲みがあるように、韓国の冷麺専門店には「先酒後麺(ソンジュフミョン)」がある。

まずは茹で豚などで一杯やり、最後に麺で締めるスタイルだ。日本で手に入る冷麺でもいいし、日本蕎麦で締めてもいいだろう。

魚の塩焼き、揚げ焼き

韓国の酒のつまみ=肉料理。そんな先入観をもっている人が多いかもしれない。だが、じつは焼き魚も一般的だ。

韓国第二の都市であり、港町である釜山では70〜80年代、安価で食べることのできたサバを焼いたものがマッコリのつまみとして庶民に人気だった。

写真4 釜山の焼きコドゥンオクイ(焼きサバ)とマッコリの専門店

ふつうに塩焼きしてもいいが、韓国風にこだわるならフライパンに油をひいて揚げ焼きしてみよう。豚肉もそうだが、清涼感のあるマッコリは適度な油と相性がよいのだ。

サバに限らず、ホッケやカレイ、スケソウダラ、サンマでもいける。

ズッキーニに小麦粉を付けて、油で揚げ焼き

日本で売っているズッキーニでもいいのだが、最近は通販などで韓国のエホバク(ズッキーニの仲間)が手に入る。エホバクはズッキーニと比べ苦味が少なく、ほんのり甘いので食べやすい。

エホバクの皮を剥いでを5ミリくらいにスライスし、薄力粉を両面に付け、溶き卵にくぐらせ、ゴマ油をひいたフライパンで揚げ焼きするだけ。

美味しくするコツはエホバクの水気を少し残す感じで焼くこと。塩を付て食べてもいいが、ニンニク醤油も合う。

生の青唐辛子に味噌を付けてガリっと

在宅ワーク続きで、旅行はおろか外食もままならず、ストレスがたまる。

韓国では日本より1カ月以上前に外出自粛ムードになったので、今の日本の人たちの辛さはよくわかる。

そんなときは辛いものを食べ、火を消すようにマッコリを流し込むとスッキリするだろう。

青唐辛子のことを韓国語でブッコチュと言う。韓国で焼肉を食べるとき、つきだしとして添えられる長くて大ぶりの生唐辛子だ。たいていテンジャン(韓国味噌)が添えられている。

日本でも通販などで買うことができる。

韓国人にとってはピーマンのような野菜に過ぎないが、日本の人にはちょっと辛いかもしれない。

食べ方は、ブッコチュを洗って、ただ味噌をつけるだけ。日本でもキュウリに味噌を付けて食べることがあるだろう。あれに近い感覚である。

辛い物が苦手な人は、念のため唐辛子を割って種を取り去っておくと安心。辛味成分は種に多く含まれているからだ。

(つづく)