チームは前半戦を粘り強く戦って中位でシーズンを折り返すと、夏場での5連勝を皮切りに一気にシフトアップ。その勢いのままに混迷を極めたプレーオフ戦線へ割って入り、見事J1昇格挑戦権を手に入れた。

 この年の愛媛は決して力や技で対戦相手を打ち負かすチームではなかったが、まるでスポ根ドラマのような良い意味でプロらしくない真っ直ぐなピュアさがあった。自己犠牲心を惜しまず、とにかく走り、食らいつき、どんな状況でもファイティングポーズを取り続ける姿勢はチーム全体の共通意識として浸透。だからこそ、負け試合でも無様な姿を見せることはなく、観る者に最後まで諦めないスタンスを訴えかけた。

 木山監督はプレーオフ準決勝敗退後、会見で戦評を述べたあとに次のようなコメントで締め括った。

 「今季、選手たちが見せてくれたものは愛媛の人たちに希望を与えるものだった。しっかり胸を張って帰りたい」

 チームはピンチを跳ね返し、強固なリバウンドメンタリティを武器に周囲の評価を見事に覆した。なにより、スタジアムを去る際に指揮官が見せた晴れやかな表情がシーズンの充実ぶりを表わしていた。

取材・文●松本隆志

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