目玉助っ人も重要だし、日本人のスターも生まなければならない。そんなバランスを体現したクラブが、鹿島だったとジーコは説く。

「例えば鹿島では、秋田(豊)、相馬(直樹)、名良橋(晃)、本田(泰人)が90年代に台頭し、その次の世代では中田(浩二)、小笠原(満男)、本山(雅志)、曽ケ端(準)、柳沢(敦)などが出てきました。例えば90年代ではレオナルドのようにブラジル代表歴のある選手も加わり、そうして複合的になって強くなり、ピッチのなかで成果を出しました。ブラジルのような勝負に対するこだわりや意識は、鹿島では伝統として浸透して、土台となった。ホームタウンの規模は小さいですが、こんなに強いチームになれたのは、他クラブにとっても良いお手本になったんじゃないかなと。今では昔ほど多くはないですけど、それぞれの世代で日本代表選手も数名送ってきています。そのような面でも、鹿島は日本サッカーの発展に貢献できたと考えています」

 Jリーグは好スタートを切り、鹿島はモデルとなる成長をしてきたと振り返った。

<中編に続く|4月30日公開予定>

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
通訳●高井蘭童(鹿島アントラーズ)

【サッカーダイジェスト 2019年9月26日号から転載。一部、加筆・修正】

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