福田氏ならではのストライカー論。Jリーグでの実績があるからこそ、その言葉には説得力がある。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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「『最後は気持ちで押し込め』って言うけど、ちょっと違うよね」

 福田正博はそう異議を唱える。「最後は気持ちで押し込め」のどこに違和感を覚えたのか。かつて日本屈指のストライカーとしてJリーグで確かな実績を残した同氏の見解は次のようなものだった。

「プロのフォワードには繊細な人が多い。もちろん自分もそうだし、中山(雅史)だってそう。基本的にシュートはアバウトじゃダメ。”ここ“っていうところに叩き込める技術がないと。フォワードには特に繊細な仕事が求められるんだよ。『ゴール前で落ち着け』ってよく言うよね。なぜ慌てて打つかと言えば、技術に自信がないから。技術とスキルを兼ね備えていれば、慌てる必要なんてないからね」

 ストライカーにとっての命綱は技術。福田はそう確信している。シャルケ時代の内田篤人にインタビューした時「技術は嘘をつかない」と言われたのを思い出しながら、熱を帯びる福田の言葉に耳を傾ける。

「気持ちでどうにかなるなら、そういうトレーニングをすればいい。たとえそれを実践したとしてもサッカーが上手くなるとは思えないけどね。やっぱり、技術に尽きる。単なるスキルじゃなくて、判断をともなった技術。最後は気持ちじゃなくて、絶対に技術だよ。技術があれば気持ちをコントロールできる。それがつまり、自信なわけだ」
 
 確かに、超一流と呼ばれるクリスチアーノ・ロナウドやリオネル・メッシなどのゴールシーンを見ると、技術に裏打ちされたものがほとんど。全盛期の三浦知良も卓越したシュートテクニックで抜群のコースに蹴り込んでいた。

「技術がない選手はゴール前で慌てるよ。『慌てるな』って言っても、慌てるよ。だって、技術がないんだから。あくまで持論だけど、重要なのは技術的なトレーニング。止める、蹴る、それから(パスを)もらう前の準備、例えばポジショニングとかね。それらを学ばないと上手く成長できないだろう」(福田)

 ちなみに、福田はサッカーに気持ちが不必要と言っているわけではない。

「俺が主張したいのは、技術あっての気持ちだってこと。『最後は気持ち』。それが成立するのは、高いレベルで技術を習得している選手だけだ」

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
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