日本代表のCBの座を争う6選手。左上から時計回りに、植田、吉田、冨安、三浦、昌子、畠中。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大 (全3枚)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年に入ってから国際Aマッチがストップしている。2018年9月に発足し、2019年のアジアカップ(UAE)やコパ・アメリカ(ブラジル)を経て、2022年カタール・ワールドカップ・アジア2次予選に臨んでいる森保一監督率いる日本代表にとっては、大きな誤算というしかないだろう。

 国際サッカー連盟(FIFA)のビクトル・モンタリアーニ副会長が「国際試合の年内開催は個人的に少々難しいと思う」と海外メディアに対してコメントした通り、2020年いっぱい代表戦が開催できなくなる可能性も少なくない。となれば、2019年12月のE-1選手権(釜山)から1年以上も代表活動に空白期間が生じるという異常事態が現実になる。今のところは、なんとか年内の国際試合再開が実現することを祈るしかない。

 ただ、仮に9〜11月のインターナショナルマッチデー(IMD)に2次予選が行なえたとしても代表活動が長期間空くことには変わりない。「そうなれば、チーム作りは一からやり直しに近い状況になる」と見る関係者もいて、選手たちも戦々恐々としているのではないか。

 まだ先は見えないが、いずれ来る活動再開に向けて、ここまで森保監督がどのようなチーム強化をしてきたかを検証しておく必要がある。ポジションごとに誰が使われ、現状の序列がどうなっているかを今一度、抑えておくことにする。

 まず新体制発足から1年半が経過した森保ジャパンの中で、最も選手層が充実しているポジションと位置付けられるのが、センターバックだろう。

 2018年ロシア・ワールドカップで最終ラインを担った吉田麻也(サンプドリア)と昌子源(G大阪)がそのまま残り、同じくロシア組の植田直通(セルクル・ブルージュ)がベルギー移籍を経て成長。国内組の三浦弦太(G大阪)や畠中槙之輔(横浜)も着実に実績を積み重ねていて、人材は間違いなく潤沢になっている。

 とりわけ、東京五輪世代の冨安健洋(ボローニャ)の爆発的成長は特筆すべき点だ。森保一監督は札幌・大阪で行なわれた初合宿から当時19歳の彼を招集。初陣のコスタリカ戦(吹田)では起用しなかったものの、翌10月のパナマ戦(新潟)で槙野智章(浦和)とのコンビで先発に抜擢。初キャップを踏ませた。そこで「ある程度やれる」という確信を得ると、続く11月のベネズエラ戦(大分)で吉田と並べて起用し、瞬く間に主力に据えるようになったのだ。この思い切った抜擢は、森保監督の就任後「最大の功績」と言っていいかもしれない。
 
 冨安の非凡な能力が顕著に表れたのが、2019年アジアカップ(UAE)。急きょボランチで使われた初戦・トルクメニスタン戦(アブダビ)こそバタバタしたが、2戦目のオマーン戦(アブダビ)からは高度な安定感を披露。日本の無失点勝利に貢献すると、一気に絶対的存在へ上り詰めていく。決勝トーナメント1回戦・サウジアラビア戦(シャルジャ)では冨安の決勝点で勝ち切り、準決勝・イラン戦(アルアイン)ではエースFWサルダル・アズムン(ゼニト)を完封。駆け引きでも完璧に上回った。

「20歳でアズムンにスーパープレーの連続。まさに規格外だね」と長友佑都(ガラタサライ)が驚き半分で言えば、乾貴士(エイバル)も「麻也を長く見てきましたけど、トミとのコンビが今までで一番合っている感じがする。あれで20歳ってのはホントにすごい」と絶賛した。吉田も「自分が代表デビューした頃はあんなに落ち着いてプレーできなかった。信じられない」と目を丸くした。本人は「イランの選手がイライラしていたのを僕は気づいてなかった(苦笑)。そんな余裕もないですし、自分のプレーに集中することだけを意識していました」と“いっぱい、いっぱい”だったことを明かしたが、そんな内面を一切感じさせない堂々たるパフォーマンスを大会通して見せつけた。