無料でエジプトの古代遺跡の中に入って回れる3Dバーチャルツアーが公開中
エジプトの古美術・観光省が、5000年前のエジプトの墓の中や、目を奪われるほどに美しいモスクの中など、5つの古代遺跡の中に入ってじっくり中の様子を見ることが可能な3Dバーチャルツアーを公開しています。家の中にいながら海外旅行に出かけているような没入体験ができるようになっています。
Take a Free Virtual Tour of Five Egyptian Heritage Sites | Smart News | Smithsonian Magazine
以下からは女王メレサンク3世の墓に入ることとが可能。地面の白い丸の部分をクリックすると、その位置に立つことができます。
Tomb of Meresankh III
部屋の中を進んでいくと、壁に彫刻が並びます。
緑色の円をクリックすると、遺跡の説明が現れます。この彫刻は岩を削り出したもので、全て女性の形をかたどっていますが、男性社会であった古代エジプトでこれは非常に珍しいとのこと。
位置を変えたり、近づいたりが可能。
天井方向を見ると赤く塗られていました。古代では色鮮やかな遺跡だったのかもしれません。
壁画や……
足元の遺跡など、好きなところをじっくりと見ることが可能。
また、解説の中には女王メレサンク3世の墓の中をムービーで探索できるYouTubeのリンクが示されていることもありました。
画面左下、左から2番目のアイコンをクリックすると、遺跡全体を3Dマップで見ることができます。
角度を変えるとこんな感じ。さらに下の階に続く階段があることがわかります。フロアの選択も可能。
1階を選択してみると、階段から下が色づけ表示されました。階段部分をクリックしてみると……
こんな感じで階段を降りられます。
下の階は、実際に女王メレサンク3世のミイラが保管されていた部屋のようです。考古学者のジョージ・アンドリュー・レイズナー氏が発見するまで、実に4000年もミイラは地下で眠っていたとのこと。
さらに、サン・ピショイにちなんで名付けられたコプト正教会の修道院「赤修道院」の中にも入ることができます。赤レンガを使用していたことから「赤修道院」と呼ばれているそうです。
Red Monastery
中はこんな感じ。模様で埋め尽くされています。
これも画面左下のアイコンから……
3Dで遺跡全体の状態を見ることが可能。さらに、再生ボタンを押すと……
全てのポイントをくまなく見られるツアーがスタート。ムービー形式ではなく、時間がたつと立ち位置が変わる形で、その都度じっくりと遺跡を見ることができます。
遺跡の中はただただ荘厳の一言につきます。
上を見上げるとこんな感じ。3つのアーチが向かい合っているような構造になっており、これはイスラム教における三位一体を表しているとも考えられているそうです。
続いて、ベンエズラシナゴーグという遺跡の中へ。
Ben Ezra Synagogue
ここでは画面右下のアイコンのうち、計測機能を使ってみます。
これは画面上で始点と終点をクリックすると、その距離を測れるというもの。画面上だと遺跡のスケールがイマイチ分かりづらいので、これは便利。
シナゴーグはユダヤ教の会堂のことで、もともとは聖書の朗読と解説を行う集会所でしたが、現代はコミュニティの場として使用されているとのこと。地元の伝承によると、ベンエズラシナゴーグは赤ん坊だったモーセが見つかった場所に建てられた遺跡だそうです。天井を見上げると緻密な模様で埋め尽くされており、ため息をつきそうなほどの美しさ。画面左下のアイコンを押して全体像を表示してみると……
こんな感じ。天井のアーチの美しさもよくわかり、全体像を捉えられる3Dマップならではの楽しみ方ができます。
今度はスルタン・バルクークのモスクマドラサへ。入口の柱や床の模様から既に美しいこの建築物はモスク・マドラサ(学校)・霊廟・テッケ(修道場)の4つで構成される複合施設として建てられました。
Mosque-Madrassa of Sultan Barquq
中は広場になっており……
いくつかのアーチが存在します。
扉はありますが、中には入れません。
天井壁画が美しいアーチの中へ。
天井からは大きなシャンデリアがつるされており、建物の中へとつづく扉が。複雑な模様が描かれたステンドグラスにも目を奪われます。
これは何だろう?と気になる部分もありますが、特に解説などはなし。
撮影の都合上、天井は一部がぼかされているのが悔しいところです。
角度を変えると何とか天井壁画を見ることができました。
最後はテーベのネクロポリス・メナの墓へ。
Tomb of Menna in the Theban Necropolis
中はこんな感じで……
「教科書で見たことある!」と叫びそうになる壁画が並びます。
かなり近くまで寄る事が可能。
さらに、通常だと手すりがあって入れない場所も……
バーチャルツアーなら入ることが可能。解説もあったので、壁画の意味や、当時の文化を知ることができます。