岩田は昨シーズンJ1初挑戦ながら24試合に出場。4試合・2アシストを記録した。写真:徳原隆元

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 大分の育成組織出身の岩田智輝は、昨季がJ1初挑戦のシーズンだったが、主軸として9位と奮闘したチームに大きく貢献した。3バックの一角ながら果敢に攻め上がり、良質なクロスや積極的なシュートで攻撃に厚みをもたらすDFらしからぬプレーヤーで、昨季はチーム3位の4ゴールを記録。もちろん守備の選手として1対1や空中戦でも強さを発揮する。

 トップ昇格を果たしたのは大分がJ3に所属していた2016シーズン。当時18歳ながら開幕スタメンに抜擢され、レギュラーに定着するとチームをJ3優勝に導いた。その後チームとともにJ2、J1と活躍の場を移してきた。その才能を見い出したのが、16年から大分の指揮を執る片野坂知宏監督で、師弟関係は今季で5年目となる。

 片野坂監督の下で着実に成長を続ける岩田は、東京五輪世代のU-23代表にコンスタントに招集され、昨年5月にはコパ・アメリカを戦う日本代表にも選出された。
 
 しかし、A代表に選ばれた直後の川崎戦で岩田は、思うようなプレーができず。どこか浮足立っていた印象があり、片野坂監督からも「日本代表に選ばれたからか、力み過ぎていて岩田らしくないなと。いいプレーをしようと空回りしていたと感じました。そういう意味では代表に入らない方が良かったのではないか(笑)」と冗談っぽく釘を刺された。

 それでも「岩田はメンタル面が非常に大事。良いものは持っているので」と指揮官からの信頼は厚く、「代表での経験を大分に還元してほしい」(片野坂監督)とチームの代表として認められている。それはここ4シーズン、コンスタントに起用され、今季副キャプテンに任命された事実からも分かるだろう。

 昨年の5月に「(まだ)代表レベルだとは思っていないので、それにふさわしい活躍をしたい」と口にしていた岩田は、16年のJ3でのデビューから3年後には、J1を戦うチームで欠かせない戦力になっている。日本トップクラスの成長スピードを見せていると言っても過言ではないだろう。

 今年で23歳を迎える岩田は、どこまで上り詰めるだろうか。J再開後に片野坂監督の下、どんなプレーを見せてくれるか注目したい。

文●古沢侑大(サッカーダイジェスト編集部)