今季はルヴァンカップ1節にスタメンフル出場。左ウイングバックを担った。©J.LEAGUE PHOTOS

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 今シーズン、川崎フロンターレから湘南ベルマーレにレンタル加入した馬渡和彰が、4月中旬から、自身が小学生の頃に所属していたクラブチームである三宿サッカー少年団の子どもたちへ向けて、Zoomによるオンライントレーニングを開始したという。

 そこで、馬渡本人に話を訊いてみた。その活動の背景には、J3からJ2、J1へと這い上がってきた男に秘められた“感謝の気持ち”があった。

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――出身クラブチームの子どもたちへ向けて、オンライントレーニングを開始したとお聞きしました。きっかけを教えてください。[編集部・注/インタビューは4月25日に実施]

「現在クラブの活動は休止していて外出もできませんが、たとえば経営面で苦心されている飲食店の方や、経済的ダメージを受けている方など、そういう方々に比べたら僕はまだ普通に生活ができています。そのなかで『今、自分にできることは何だろう』と常に考えていました。

 僕自身はパーソナルトレーナーの山田峻さんとオンラインでトレーニングをしているのですが、今こういう(新型コロナウイルスによる影響を受けている)状況で、自宅でオンライントレーニングを子どもたちと一緒にやったら喜ばれるんじゃないかと思って。山田トレーナー、出身クラブの監督に相談して、すぐ行動に移しましたね」

――どのように始めたんですか?

「いきなりプロサッカー選手とトレーニングしようと言っても、子どもたちは戸惑って堅くなってしまうじゃないですか。そう思ったので、最初は『(選手と)仲良くなろう、なんでも聞いたり、質問してみよう』みたいな感じで、トーク会を行ないました。

 他愛もない会話をしながら『みんな何してるのー? コロナウイルスの影響は大丈夫?』と聞くと、やっぱり学校もサッカーの練習もないし、退屈していることが分かったので、『(自分が)山田トレーナーとやっているトレーニングをみんなも一緒にやってみる?』と聞くと、やりたいと言ってくれたので。そういう流れから始めました」

――具体的にはどのようなトレーニングを行なっているんですか?

「子どもたちとやる内容は“基礎の基礎”のトレーニングで、山田トレーナーにメニューを組んでもらって、僕も子どもたちと一緒にトレーニングをするという感じです。保護者の方からも『子どもがすごく喜んでいたので、この活動をもっとやってほしい』と言っていただいて、これまでに複数回行ないました。今後は簡単な基礎のトレーニングから徐々にステップアップしてやっていこうかなと思っています。トレーニング以外にもいろんなことをやりたいですね」

――プロ選手とリアルタイムで一緒に練習や会話ができるなんて最高ですね!

「顔を見て選手と話せる機会って、なかなかないじゃないですか。体幹トレーニングや軽くボールを使ったトレーニングを一緒にやる以外にも、普通に聞いてみたいことを質問してもらったりとか、以前からそういう機会を作りたいなと思っていたので」
 
――子どもたちと関わる機会を作りたいと思ったきっかけは?

「地元や今までお世話になったクラブ、地域へ恩返しをしたいとずっと思っていたんです。その一環として自分ができることを考えて、まずは小学校の時のサッカーチームにOBとして声をかけたんです。それが地域への恩返しや地域貢献活動につながるのかなと思って」

――素敵な考えですね。

「僕は今まで鳥取、金沢、徳島、広島、川崎、そして湘南と、J3からJ1まですべてのカテゴリーを経験しましたが、J1の広島に移籍した時に、J1というカテゴリーをまわりの人みんなが喜んでくれた。(所属した)それぞれのクラブ、地域、サポーター、本当にたくさんの人に支えられてきたので、すべての人々に感謝したいという想いがとても強いです。