新型コロナウイルスによる肺炎のため23日(2020年4月)に亡くなった女優の岡江久美子さん(享年63)を追悼し、テレビ東京で2003年〜2013年に全10作が放送された「密会の宿」シリーズから第9話が再放送される。

北鎌倉の山間にひっそりと佇む老舗旅館を舞台に、岡江さん演じる女将が、東幹久演じる推理作家志望の番頭とともに難事件を解決する佐野洋原作のサスペンスドラマだ。

 

旅館「くわの」の番頭・久保隆(東幹久)は、宿にカメラを向ける不審な男(島田洋八)を見つけて口論となり、巡回中の警官に咎められる。翌日、その男の遺体が海岸の岩場で発見された。崖から転落したと見られ、財布や携帯電話など身元を示す物が持ち去れていた。北鎌倉署刑事・馬場周平(西岡徳馬)は殺人事件として捜査を開始する。

ルポライターにプロポーズされた華道の師匠は動揺する

 

その日、宿では女将・桑野厚子(岡江久美子)の華道の師匠・明石智子(手塚理美)と、ルポライターで智子の恋人・高木信也(金子昇)が、出会って1年目の祝宴を開いていた。厚子と久保が見守る中、高木が智子にプロポーズし、智子の誕生石であるアメジストのネックレスを差し出した。そのとき智子がかすかに戸惑いを見せたのを、厚子は見逃さなかった。

 

と、そこに馬場刑事がやってきて、久保に死亡推定時刻の前夜12時前後のアリバイを尋ねる。殺された男と久保がもめていたことを、例の警官が覚えていたのだ。厚子が、その時間に久保と一緒に帳簿の整理をしていたと証言し、疑いは晴れた。たまたまその場に居合わせた智子の姪・友坂真理子(小沢真珠)の証言で、殺されたのは鎌倉市内に事務所を構える探偵・川原正信と判明する。真理子はその探偵事務所の調査員だったからだ。 

ギャンブル好きで借金まみれの川原は、盗聴や盗撮など手段を選ばない悪質な調査を繰り返し、事務所や自宅に中傷ビラが何枚も貼り付けられていた。川原に恨みを持つ者の犯行という線で捜査は進められることとなった。ところが、そんな折、厚子が智子から「真理子が犯人ではないか」との相談を受けたことで、事件は意外な様相を呈してくる......。 

女将役の和服姿の岡江さんのしっとりとした美しさが心に残るドラマだ。合掌。(よる8時放送)

寒山