今季は公式戦2連勝と好スタートを切ったものの……。予想外の中断を余儀なくされた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 浦和レッズは4月24日、2019年度の経営情報を開示した。

 19年の浦和はACL準優勝とアジアチャンピオンの座に迫った一方で、3年連続の監督交代に揺れ、国内リーグ戦では予想外の残留争いに巻き込まれるなど苦しんだ。

 結局無冠のまま終えたシーズンだったが、経営面を見れば、過去最高の82億1,766万円の事業収入を記録と上々。営業費用は80億8,172万円で、結果1億3,594円の営業利益を計上した。9年連続で黒字を確保したのである。

 そのうち広告料収入は、新規パートナーの獲得などが功を奏し、過去最高の38億円超え。また入場料収入は約23億円、グッズ収入は前年を下回るも2年連続で9億円を超えた。その他には、ACL準優勝の賞金なども含め11億円の収入もあった。

 そして、次はチームとしての成績を挽回しようと意気込んで臨んだ今季。ところが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でリーグ延期に見舞われた。
 
 24日、オンライン会議ソフトZoomでのビデオ取材に応じた立花洋一代表取締役社長は言う。

「今シーズンが始まる前に、強化体制を変えて、新たに取り組んでまいりました。沖縄の合宿から始まって、順調にスタートした矢先に、こういった新型コロナの感染症の影響で、活動を停止する状況になりました。こういうなかで、我々は最大限、感染拡大防止に向けて、いろんな協力をし、なんとしても一刻も早く、リーグ戦、活動の再会を図りたいと、チーム一丸となって取り組んでいるところです」

 早期のリーグ開幕が望まれるが、今は再開の見通しは立っていない。当然ながら経営面でのダメージは深刻だ。

「サッカークラブはどこも同じだと思いますけど、パートナー企業と広告のスポンサー支援、入場料収入、グッズ収入、リーグの分配金等の収入、その4つの大きな柱があります。いずれもJリーグを開催することで得られるのがベース。しかし今は試合ができない状況で、我々としては、非常に大きなリスクを抱えていると認識し、様々な対策を実行しているところです。大きなところで言えば、収入をいかに減らさないか、費用をいかに削減していくか。社内でプロジェクトチームを立ち上げ、フロント一体となって取り組んでいます」
 広告料収入、入場料収入、グッズ収入の3本柱に、リーグの分配金などを含めた“4本柱”。これはいずれも主に試合を開催することで得られるのだが、クラブの活動すらできない今季、減収は必至。ダメージの程度も見当がつかない。立花代表いわく「いろんなケースを想定して、年度計画を見直している」という

 さらにJリーグでは無観客でのリーグ戦開催も検討され始めている。

 かねてより無観客試合は避けたいと表明してきた立花代表も、悪化の一途を辿る現状では、その意見も変えざるを得ない。

「浦和レッズだけで考えるべき話ではないと思っています。村井チェアマンがリーダーシップを取って、どういう形ならやれるだろうということを、ずっとこの何か月か一緒になって考えてきています。実行委員会でみなさんの提言や報告を聞いても状況は良くなっていません。野球でもサッカーでも、どのクラブの代表の方もそう発言しておりました。ということであれば、当然Jリーグとしてなんとか試合を成立させるために必要なことは、無観客も視野に、という話がチェアマンからも出たと思います。ファン・サポーターのために戦う浦和レッズとして、無観客は避けたいと申してまいりましたけど、今こういう状況になれば、Jリーグの総意として、そういう形で試合が行なわれるということになれば、我々はそれに備えなければならない」
 
 そんな難局に立たされたクラブは今、“収入をいかに減らさないか、費用をいかに削減していくか”について、社内で様々なアイデアを募り、検討を重ねているという。