GIオークス(5月24日/東京・芝2400m)の前哨戦、GIIフローラS(東京・芝2000m)が4月26日に行なわれる。

 同レースの過去10年の結果を見てみると、1番人気は4勝、2着1回と、決して悪くない成績である。しかし、9番人気以上の穴馬が馬券圏内(3着以内)に10回も絡んでおり、3連単では好配当が続出。100万円以上の超高配当が2度も出ているのだ。

 つまり、前哨戦の中でも「荒れるレース」のひとつと言える。となれば、今年もひと波乱あっても不思議ではない。

 実際、今回はGIII京成杯(1月19日/中山・芝2000m)で2着となったスカイグルーヴ(牝3歳)に人気が集まりそうだが、日刊スポーツの木南友輔記者は、同馬に対して懐疑的な目を向ける。

「ダイナカール、エアグルーヴ、アドマイヤグルーヴと続いてきた牝系で、近親にはドゥラメンテがいるスカイグルーヴ。ここでは、同じ一族のレッドルレーヴ(牝3歳)ともども人気を集めそうですが、全幅の信頼は置けません。というのも、京成杯で差し切られたクリスタルブラックが、その後に直行したGI皐月賞で大敗(16着)。馬場や脚もとに影響があったとはいえ、負けすぎといった印象がありますから」

 では、人気馬に代わって台頭するとしたら、どんな馬になるのか。木南記者は次のように語って、推奨馬の名を挙げる。

「東京・芝2000mは、枠や展開によって、浮上する馬がガラリと変わってきます。そのうち、展開やコース適性をポイントにして考えれば、ショウナンハレルヤ(牝3歳)に食指が動きます。2走前に1勝クラスのセントポーリア賞(2月2日/東京・芝1800m)を勝っていますが、同レースを”牝馬で勝った”というのは評価が必要です。



フローラSでの一発が期待されるショウナンハレルヤ

 実は、12着に敗れた前走のGIIIフラワーC(3月20日/中山・芝1800m)でも本命を打ちました。4コーナーまで絶好の手応えに見えたのですが、直線で他馬とスペースを争う形となり、最後はかなり危険な状況になって、そのまま後退してしまって……。

 自分は当日、勝った馬の関係者を中心に取材していたのですが、そのあと、検量室付近に戻ると、ただならぬ雰囲気になっていました。それだけ、直線での攻防は危険だったのでしょう。ショウナンハレルヤは、それほどの不利があったわけで、広い東京コースとなる今回は、巻き返しが期待できます」

 木南記者はもう1頭、人気のスカイグルーヴに匹敵する良血馬が気になるという。

「フアナ(牝3歳)です。まだ未勝利戦(3月20日/阪神・芝1800m)を勝ったばかりですが、新馬戦(1月19日/京都・芝1800m)では、のちにオープン特別の若葉Sを快勝する高額馬アドマイヤビルゴの僅差の2着だったということで、評価が上がっています。

 フサイチコンコルドやアンライバルド、ヴィクトリーといったGI馬が近親にいる、バレークイーンからなる血統。母イサベルはフローラS7着でしたが、その弟アドミラブルはGII青葉賞を勝って、GI日本ダービー(3着)で1番人気に推されました。この時期の東京が似合う血筋です。初の東京で、手綱をとるライル・ヒューイットソン騎手がどう乗るのかにも注目しています」

 翻(ひるがえ)って、デイリースポーツの大西修平記者は、休み明けとなる2頭の1勝馬に注目している。

「1頭目は、エレヴァテッツァ(牝3歳)です。牡馬相手に紅一点で挑んだ前走の未勝利戦(12月7日/阪神・芝1800m)の勝ちっぷりが鮮やかでした。スローペースでしたが、好位でリズムよく運んで、うまく脚をタメて、直線では手応えどおりに力強く伸びて完勝しました。

 しかも、そのレースで負けた3頭が、その後に勝ち上がっています。なかでも、4着だったフライライクバードは未勝利、1勝クラスの特別戦と連勝しており、決して楽な相手ではなかっただけに、価値ある勝利でした。その前走の内容からして、折り合い面にも不安はなく、1ハロン(200m)の距離延長も十分に対応できるでしょう」

 今回、その未勝利戦から約4カ月半ぶりの出走となるが、その点においての不安はないのだろうか。大西記者が続ける。

「一度は、セントポーリア賞を目標に調整していましたが、中間に筋肉痛を発症して自重。そこで無理することなく、滋賀県のノーザンファームしがらきに放牧に出して、治療に専念しました。その際、しっかりとケアしたことで、すぐに回復。その後の調整にも不安はありません。

 初の左回りも、半兄フラガラッハが中京競馬場で行なわれるGIII中京記念で連覇を遂げているように、血統的には問題ないでしょう。馬体にも幅が出てきて、さらなる成長が感じられる今なら、重賞でも好勝負を演じてもいいはずです」

 大西記者が注視するもう1頭は、ウィスパリンホープ(牝3歳)だ。

「デビュー戦となる2歳新馬(12月21日/阪神・芝1800m)は、勝負どころでスムーズさを欠きながらも、アタマ差の2着と奮闘。前走の未勝利戦(1月12日/京都・芝1600m)では、中団からすばらしい末脚を見せて差し切り勝ち。10kg増と馬体に迫力が増していたのも好感が持てました。

 こちらも、ここで負かした2頭(4着馬と7着馬)がその後に連勝して、3着馬も先週勝ち上がり。相手に恵まれていたわけではありません。

 今回は、およそ3カ月半の休み明けになりますが、中間は栗東のCWでシャープな動きを連発。きっちりと乗り込まれていて、仕上がりにもまったく不安はありません。

 距離延長も、血統や気性的に見ても、問題ないでしょう。流れによって、自在に運べる脚質も魅力で、名手・横山典弘ジョッキーの手腕がフルに発揮されそうです。一気の相手強化とはいえ、通用するだけのポテンシャルは秘めていると思います」 出走馬の大半が1勝馬。人気馬とも大きな差は感じられず、今年のフローラSも波乱ムードが充満している。過去にあったようなビッグな配当を運んでくる馬が、ここに挙げた4頭の中にいてもおかしくない。