パン愛好家が厳選!【東京】”シンプルパン”に行列ができる人気ベーカリー9選

日本中のパン屋を旅するパンラボ主宰の池田さん。そんな池田さんが厳選した、食パンやクロワッサンといった王道のパンが美味しい東京のベーカリーをご紹介します。
1.〈粉花〉/浅草
「丸パン」200円
浅草観音裏に潜む、姉妹の営むかわいい店。カンパーニュはフレッシュなレーズン種と北海道産小麦・春よ恋の甘さがそのまま生き生きと。あえて形を整えない丸パン。ぷくぷくとあっちへこっちへのびのび生地をふくらませ、まるで小さな命のよう。素朴なもっちり感も愛らしい。焼き菓子も膝を打つおいしさ。
〈粉花(このはな)〉東京都台東区浅草3-25-603-3874-730210:30〜売り切れ次第終了 日月火休イートイン不定期/禁煙
2.〈パンのペリカン〉/田原町
「小ロール 10個入り」630円
創業78年目、食パンとロールパンだけをぶれずに作りつづける、永遠のスタンダード。副素材はシンプルにバターのみ、だから飽きない。もわんと沈んで、ぱちんと噛み切れる、エロティックな歯切れが癖になり、もう一口を誘う。工場に併設した素っ気ない店舗が逆に魅力的。近くの〈ペリカンカフェ〉では炭火焼きのトーストが楽しめる。
〈パンのペリカン〉東京都台東区寿4-7-403-3841-46868:00〜17:00 日祝休(冬季・夏季休暇あり)
3.〈Comète〉/赤羽橋
「クロワッサン」320円(税込)
パリの世界的名店〈デュ・パン・エ・デジデ〉出身の小林健二シェフ。パンの神に微笑まれたかのように、クロワッサンほか絶品パンを連発する。シグニチャーは「コメット」。座布団みたいに大きなふかふかパン。国産小麦と有機の米ぬかを使用し、旨味の中に米のフレーバーがにじむ。人気は〈デジデ〉仕込みのぐるぐるデニッシュ「エスカルゴ」。
〈Comète(コメット)〉東京都港区三田1-6-603-6435-15349:00〜18:00(土〜17:00)日祝休
4.〈ジュウニブン ベーカリー〉/新宿
「ジュウニブン食パン」497円(税込)
シーンの最先端を走る杉窪章匡シェフが手がける〈365日〉のもうひとつのブランド。通常のほぼ倍、120%もの水分を入れた「ジュウニブン食パン」は異次元のちゅるちゅる感。「風船パン」はかわいい紙袋に入っておみやげにもってこい。新宿駅直結の京王百貨店中地階と便利な立地。パンに困ったら走れ!
〈ジュウニブン ベーカリー〉東京都新宿区西新宿1-1-4〈京王百貨店 新宿店〉03-3342-211110:00〜20:30(日祝〜20:00)休みは施設に準ずる
5.〈Dans Dix ans〉/吉祥寺
「パ ン・オ・ル ヴァン」1,000円(税込)
スタイリッシュな地下の空間はパンの聖地、澄み切った時間が流れるかのよう。ガラス越しに見える白衣の職人たちが作りだすパンは素材への祈りにも似て、小麦もくるみもはっとするほどおいしく感じられる。形はウイットに富み、食べ口は軽やかな、パン酵母(イースト使用)のパンと、発酵種を使用した素朴なパンの2ラインがある。
〈Dans Dix ans(ダンディゾン)〉東京都武蔵野市吉祥寺本町2-28-2 B10422-23-259510:00〜18:00 火水休
6.〈CICOUTE BAKERY〉/南大沢
「北海金時豆のコンプレハーフ」320円(税込)
団地の一角をおしゃれにリノベ。手作りの発酵種によるカンパーニュを早くから作ってきた北村千里さんは、小麦や野菜を直接取り寄せ、生産者の思いを表現、あたたかい気持ちがパンから伝わる。生産者や品種名が冠されたハード系は絶品。「北海金時豆のコンプレ」などのおやつパン、サンドもあり、誰もが楽しめる。
〈CICOUTE BAKERY(チクテベーカリー)〉東京都八王子市南大沢3-9-5-101042-675-358511:30〜16:30 月火休12席/禁煙
7.〈PANYA komorebi〉/西永福駅
「komorebi食パン」480円(税込)
毎年夏には北海道を訪ね、生産者に会いに行く斉木俊雄シェフ。貴重な素材を使う以上、その個性が十二分に表現されなくては、というのが信念。「komorebi食パン」のミルキーさ、歯を包み込むような中身のソフトさ。「土蔵農場のキタホナミとオーガニックマスカットとくるみのパン」は、くるみの薄皮を丹念にむきやさしい味に。
〈PANYA komorebi(パンヤ コモレビ)〉東京都杉並区永福3-56-2903-6379-13519:00〜19:00 月木休4席/禁煙
8.〈ヨシダベーカリー〉/富士見ヶ丘
「ホワイトブレッド」400円(税込)
生地自体のおいしさ、日常で食べられる食事パンのおいしさを、職人技で追求。どれもグルテンを硬くしない、しなやかでやさしい食感。「ホワイトブレッド」の、勝手にほどけていくような、かよわいちぎれっぷりは目を見張る。「ホワイトチョコとカモミール」はふるふるとふるえ、薬草のような香りがするのもおもしろい。
〈ヨシダベーカリー〉東京都杉並区久我山2-23-29 ハイネス富士見ヶ丘 1F03-6326-275411:00〜19:30 日水休
9.〈Boule Beurre Boulangerie〉/八王子
「いちじくのポルカ」389円
まるでヌーヴェルヴァーグ映画の中に迷い込んだような光景。外観はたった1軒でパリの街並みを表現する。パンもフランス愛があふれる。店の象徴であるクロワッサンはもちろん、クグロフ、ブリオッシュ生地とフロマージュブランで作るガレット...。フランスに行きたくなったら、八王子へ行こう。
〈Boule Beurre Boulangerie(ブール・ブール・ブランジェリー)〉東京都八王子市横山町16-5042-626-88068:00〜19:00 月火休(月が祝の場合は営業)テラス4席/禁煙
Navigator/池田浩明(いけだ・ひろあき)
パンの研究所「パンラボ」主宰。パンライター。自称「ブレッドギーク」(パンおたく)。NPO法人新麦コレクション理事長として、日本においしい小麦を普及する活動も行う。
※掲載しているパンはすべて取材時のものです。
(Hanako1182号掲載/photo:Hiroaki Ikeda, Kenya Abe text:Hiroaki Ikeda special thanks:Yuya Uemura, Ami Hanashima edit:Yoshie Chokki)