顔マッサージもやりすぎで逆効果に!やってはいけない肌お手入れ

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ハリのあるお肌のためにと念入りに行っているスキンケア。細胞レベルでみていくと、それが思わぬ負担をかけているようでーー。

「皮膚は表面から、表皮、真皮という構造になっていて、表皮の外側にある角質層は外からの刺激が内部に入るのを防ぎ、保湿機能を持っています。間違ったスキンケアはその肌本来の働きを低下させて、角質層を壊し、かえって乾燥肌にしてしまうのです」

そう警鐘を鳴らすのは、皮膚再生医療のスペシャリストである北條元治先生。北條先生が注意を促すのが、次のケアだ。

【1】敏感肌だから、厳選したオーガニックコスメを愛用

「有機栽培で作った植物を主原料にした化粧品ですが、日本では認定基準が統一されていないので、オーガニック成分が少量だけでもオーガニックとうたっているものもあります」(北條先生・以下同)

敏感肌の人は植物成分が刺激になることもあるので、注意が必要。

【2】コラーゲン配合の化粧品を積極的に使う

肌にハリやうるおいをもたらすコラーゲンは真皮に存在し、細胞と細胞をつなぐ役目をしている。

「コラーゲンは肌から吸収されることはありません。大切なのは、自分の細胞でコラーゲンが作り出される環境を整えること。それが機能して肌の弾力が生まれるのです」

【3】クリームで肌にふたをしてうるおいをキープ

「クリームなどの油分で肌にふたをすると乾燥から守ってくれると思うのも間違い。成分の界面活性剤で角質層を傷つけてしまいます」

肌のいちばん外側にある角質層で作られた保湿成分が膜となるので、クリームをつけなくても、肌のうるおいはキープできる。

【4】美白化粧品で肌に透明感を

紫外線によるダメージで発生するシミは、肌のターンオーバーが正常に行われなくなり、メラニン色素がたまることが原因。

「美白化粧品でメラニンの生成を抑えることはできます。しかし、メラニンがたまった細胞を除去することはできないのです」

【8】マッサージ&美顔器で顔筋を鍛えてリフトアップ

リフトアップの効果を求めて念入りにマッサージする人も多いが、やりすぎには注意。

「血液やリンパの流れが一時的に改善し、むくみが取れることはあります。しかし強い刺激を与えすぎると、表面が傷つき、バリア機能が壊れて炎症を起こしやすくなります」

コラーゲン配合の化粧品を積極的に使う、肌にふたをするように保湿クリームをたっぷり塗る……、いずれもよく聞く肌のお手入れだ。

「肌には新陳代謝の機能があり、汚れはあかと一緒に自然に落ちます。朝の洗顔は水またはぬるま湯で、ゴシゴシこすらないで手を軽く顔に押し付けるだけ。ベタつくときは、指の先で肌をなでるように優しく洗いましょう。洗顔後はタオルを押し当てて水分を拭き取り、肌の保湿にはワセリンを使います」

ワセリンを選ぶ際は、国が定めた基準書である「日本薬局方」の規格を満たした純度の高いものを選ぶと安心だという。

「綿棒などで米粒大ぐらいの量をすくい、手につけてなじませてから、押し当てるように顔につけましょう」

シンプルなケアを続けるうちに、肌本来のバリア機能が回復し、肌トラブルを改善してくれる。NG習慣を改めて、肌を露出する季節を迎える前に美肌を取り戻そう。

「女性自身」2020年4月28日号 掲載