19年産米 品種別作付け コシ41年首位も減少 県ごとに多様化高温耐性が上位

水稲品種の作付けで「コシヒカリ」が減少傾向だ。米穀機構がまとめた2019年産米の品種別の作付け動向によると、「コシヒカリ」の割合は33・9%。トップが続いているが、過去10年では最も低い。主力銘柄で構成する上位10品種が占める割合も低下している。一方、高温耐性品種など品種の多様化が進んでいる。
米穀機構が、東京を除く46道府県からの聞き取りを基に推計し、品種ごとの作付け割合をまとめた。10年産以降、毎年公表している。
「コシヒカリ」は33・9%で、1979年以降41年連続で首位となった。北海道、東京、沖縄を除く44府県と最も広範囲で生産されている。一方、全体に占める割合は、前年から1・1ポイント減。全体に占める割合は減少傾向が続いており、10年産と比べ3・7ポイント減った。
上位10品種は、順位の入れ替わりがあるものの、品種は前年と同じで固定化している。上位10品種が全体に占める割合は72・2%。9年連続で減少した。同機構は「各県で良食味や高温耐性などさまざまな品種が開発、栽培されており、主要品種の割合が少しずつ下がっている」と指摘する。
上位20品種で見ると、高温耐性品種が上位に迫る。5年前と比べると、「きぬむすめ」は15位(1%)から11位(1・5%)に、「つや姫」は17位(0・8%)から13位(1・2%)に、「ふさこがね」が20位(0・6%)から15位(0・9%)にそれぞれ順位を上げた。「こしいぶき」は順位を下げ、19年産は12位(1・4%)となった。
「まっしぐら」(2・2%)、「あさひの夢」(1・7%)など業務用に多く使われる品種の作付け割合も、微増傾向にある。