言わずと知れた仙台銘菓「萩の月」。満月のように黄色く丸みを帯びたカステラの中に、カスタードクリームが入った商品だ。

そんな萩の月のオンライン公式販売が、2020年3月10日から期間限定で行われている。これまで通常は店頭でしか購入できなかったため、ツイッターでは「嬉しすぎるぞ!」「注文してしまった」などと反響を呼んでいる。


仙台銘菓・萩の月(画像は公式サイトより)

しかし、なぜ急にオンライン販売を始めたのか。

販売ページを覗いても、とくにオンライン販売を始めた理由は書かれていない。そのためインターネット上では、新型コロナウイルスの影響ではないかとの声も出ているが――事実なのだろうか。

Jタウンネットは4月15日、「萩の月」を製造・販売する菓匠三全(本社・仙台市)の広報担当者に詳しい話を聞いた。

「日に日に注文は増えています」

広報担当者によると、萩の月のオンライン公式販売は1979年の発売以降2度目。

生産・販売を休止していた姉妹商品「萩の調」を19年2〜3月にオンラインショップで限定販売した際に、萩の月も同時に販売していたという。また公式では2度目だが、納品先によってはオンライン販売をすでに行っていたところもある。

担当者は、今回オンライン販売に踏み切った理由を次のように話している。

「新型コロナウイルスの感染拡大防止のため政府から移動自粛が呼びかけられ、宮城県内に旅行や出張で来るのが難しくなりました。直接のお買い求めがなかなかできなくなり、工場直送でお送りしようということでオンラインに取り組んでいます」

これまでオンライン販売をしていなかった理由としては、実際に来て「仙台のお土産」として買っていってもらいたいとの思いがあったという。たしかに、ご当地のお土産はその場で買う楽しみもあるだろう。

3月10日にオンライン販売を始めて1か月以上経つが、売れ行きの方はどうだろうか。担当者に聞くと、

「日に日に注文は増えています」

とのこと。SNSの影響もあるのだろうか、菓匠三全の公式ツイッターは14日18時ごろに「ご注文が集中しているため、通常より出荷までにお時間をいただいております」と投稿している。

担当者はオンライン販売がツイッターで注目を集めたことについて、

「いつもご愛顧いただきありがとうございます。オンライン販売で少しでも仙台を感じていただければと思います。落ち着きましたら宮城県内、仙台にお越しください」

とコメント。販売期間については「3月10日から当面の間」としている。