ウクライナのチェルノブイリ原発半径30キロ圏内で広がる森林火災の航空写真(2020年4月12日撮影)。(c)Volodymyr Shuvayev / AFP

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【AFP=時事】1986年に世界最悪の原発事故が起きたウクライナのチェルノブイリ(Chernobyl)原発周辺の居住禁止区域で発生した森林火災について、ウクライナ当局は13日、発生から約10日たった今も消防士数百人を動員した消火活動が依然続いていることを明かした。

 チェルノブイリ原発に近い森林で火災が発生したのは今月4日。火は強風にあおられて瞬く間に燃え広がった。ウクライナ政府は400人以上の消防隊員とヘリコプターを投入し、大量の水を使用した空中消火作業を行ってきた。救急当局幹部は13日夜に発表したビデオ声明で、現在は延焼抑止に焦点を当てていると述べた。

 チェルノブイリ周辺の居住禁止区域では森林火災は珍しくないが、環境団体グリーンピース・ロシア(Greenpeace Russia)の13日の発表によると、今回の森林火災は1986年の原発事故以降では最大規模だという。1986年に爆発事故を起こした原子炉は現在、保護ドームに覆われているが、衛星画像の分析によると火災は最も近いところで原発からわずか1.5キロまで迫っているという。

 欧州東部火災監視センター(Regional Eastern European Fire Monitoring Center)のセルゲイ・ジプツェフ(Sergiy Zibtsev)所長はAFPの取材に対し、今回の火災は「超巨大」で「予測不可能」だと述べ、「われわれの推計では、居住禁止区域の西側ではすでに2万ヘクタールに延焼している」と語った。

 チェルノブイリ観光ガイド協会のヤロスラフ・エメリヤーエンコ(Yaroslav Yemelianenko)会長によると、原発事故後に住民約5万人が避難してゴーストタウンとなり、最近では観光客に人気のあるプリピャチ(Pripyat)市街にも火災は到達している。

 ただし、アントン・ゲラシェンコ(Anton Gerashchenko)副内相は、チェルノブイリの核廃棄物貯蔵施設には危険はないと述べている。またウクライナ各省庁は、森林火災による放射線量の上昇はないと強調している。

 ウクライナ生態学調査当局のトップ、エホール・フィルソフ(Yegor Firsov)氏は5日、「火災の中心部で、放射線量が通常値を超えている」とフェイスブック(Facebook)に投稿。放射線測定器のガイガーカウンターが通常の16倍の放射線量を示す動画も公開したが、後にこの主張を取り下げた。

【翻訳編集】AFPBB News

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