古山裕一(窪田正孝)がハーモニカ倶楽部の定期演奏会に向けて練習に励んでいる頃、父・三郎(唐沢寿明)は融資話に騙され、経営する呉服店「喜多一」いよいよ苦境に追い込まれ、妻・まさ(菊池桃子)の実家の権藤家に融資を頼むしかなくなっていた。

三郎が「お願げえします。当座を凌げば必ず返します」と頭を下げると、義兄の茂兵衛は「裕一か浩二のどちらかを養子に出せ。融資の条件だ」と、息子を跡取りに寄こせという。

裕一には音楽の道を、弟・浩二(佐久本宝)には「喜多一」を継がせたいと考えている三郎は、なかなか結論が出せずにいた。

父も母も客席でうつむきただただ涙

ハーモニカ倶楽部の定期公演の当日を迎えた。倶楽部の会長である館林信雄がタクトを振り、1曲目の「皇帝円舞曲」が終わると、客席の方を向いていう。「続いては、わが倶楽部で初めて作った曲を演奏します。作曲したのは古山裕一君です」

裕一は緊張しながら指揮をとり「想い出の径」の演奏が始まった。客席では裕一の音楽教師である藤堂清晴(森山直太朗)が曲の出来栄えに感動していた。客席には三郎、そしてまさもいた。しかし、ハーモニカアンサンブルの美しい旋律に感動しながら、つらそうに目を伏せている。実は、数日前に茂兵衛の条件をのむしかなくなったことを裕一に告げていたのだ。裕一は養子に行き、音楽を諦めることになっていたのだ。(NHK総合あさ8時)