新型コロナウイルスの感染拡大による政府の緊急事態宣言を受け、今春以降にオープンを予定していた大型商業施設が相次いで開業を延期している。感染拡大防止に協力するだけでなく、自粛ムードが漂う時期に開業しても収益を期待できないと判断したもようで、緊急事態宣言の7都府県以外にも広がっている。

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 JR東日本は、東京都港区の竹芝ウォーターフロント開発区域内で13日に第1期分の開業を予定していた商業施設「アトレ竹芝」のオープンを当面の間、延期した。店舗面積約7,800平方メートルで、浜離宮や水辺を眺めながらテラスで飲食できるレストラン、心身の美と健康を提供する美容施設、食のワークショップを展開するグロサリーストアなどがオープンする予定だった。

 NTT都市開発は、東京都渋谷区のJR原宿駅前で25日に予定していた商業施設「ウイズ原宿」の開業を5月28日に、京都市中京区で16日に予定していた商業施設「新風館」の開業を5月21日にそれぞれ先送りした。ウイズ原宿は、イケア初の都市型店舗「イケア原宿」やユニクロなど14店、新風館は、ホテルや物販、飲食など20店が出店することになっていた。

 オリックスは、石川県金沢市のJR金沢駅前で開発中の複合商業施設「クロスゲート金沢」について、金沢市との契約に基づく開業期限を6月から9月末に変更することで市と合意した。ホテルや分譲マンションとともに、物販、飲食など34店が出店を予定しているが、ホテル部分の家具、照明の製作、調達に遅れが生じていた。開業日はあらためて公表する。

 三井不動産は、横浜市金沢区の三井アウトレットパーク横浜ベイサイドなど4〜5月に予定していた施設の新規、リニューアル開業を延期することを決めた。延期する施設は他に、東京都江東区の三井ショッピングパークららぽーと豊洲1・2、豊洲ベイサイドクロスタワー、東京都千代田区の大手町ワン、横浜市中区の北仲ブリック&ホワイト、福岡市博多区の三井ガーデンホテル福岡中洲。