物々しい前触れの後で安倍晋三総理が登壇して、長々と喋った。その後の質疑応答で、以前、尻切れトンボで質問できなかったフリージャーナリストの江川紹子が、今回は質問できたが答えはピント外れ。何日も前から言われていたので演説に新鮮味は全くない。加えて、勿体つけた岸田政調会長の「30万円」発言が、どうやら絵に描いた餅に見えだした。あーだこーだと条件を付けて尻すぼみだ。

『羽鳥慎一モーニングショー』でコメンテーターをやっている玉川徹が、「すぐさま、30万円ずつ全部の家庭に現金書留で送っちゃえばいいんですよ」と言っていたように、電光石火、現金を配布して、たった今、仕事キャンセルで困っている人間に金を届けるという発想がない。何百万もボーナスをもらっている大臣たちに、コロナ禍で首つり寸前の庶民の状態など分る筈もない。全くナンセンス。

今回のコロナ禍で、内閣が烏合の衆で、頭が切れる昔の吉田茂や後藤田正晴のような読める人材がいないことが鮮明に浮かび上がっているにもかかわらず、わが国民から鋭い批判は出てこない。外国のメディアにバカにされているのにも気付かない情けなさである。笑ってしまうのは、会見をしているトップの表情が、己の姿に陶酔しているように見えたこと。彼は恐らく全世界へ流されている自分の映像に大満足なのだ。この人はインテリが己を皮肉に見る、分裂したもう1人の己をもっていない。民度の低さが元凶なのだが。(放送2020年4月7日19時〜)

(黄蘭)