世界保健機関のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長(2020年3月30日撮影)。(c)AFP

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【AFP=時事】米国は9日、台湾が早い段階で新型コロナウイルスの人から人への感染を警告していたにもかかわらず、政治を優先して無視したとして、世界保健機関(WHO)を非難した。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領はこれに先立ち、WHOを「非常に中国中心的」と非難し、資金拠出を一時停止する可能性もあるとけん制していた。

 トランプ氏による突然の警告は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への備えを怠ったとして非難を浴びる中、国外に身代わりをつくるための政略だとの批判もある。米国では新型ウイルスによる死者が1万6000人超に上っている。

 米国務省は、WHOは新型ウイルスへの警鐘を鳴らすのが遅すぎ、中国に配慮しすぎていると非難。台湾からの情報について調査しなかったことに疑問を呈した。

 同省の報道官は、「WHOが2020年1月14日の声明で人から人への感染は確認されていないと発表したことに表れているように、台湾からの情報を公表しなかったことを(米国は)深く憂慮している」と述べた。

 同報道官は、「WHOがまたしても公衆衛生より政治を優先した」と指摘し、2016年以来、台湾のオブザーバー参加さえ認めていないことを批判した。さらに、WHOの行動によって「時間と人命が失われた」と述べた。

 台湾は、中国と地理的に近く関係が深いにもかかわらず、新型コロナウイルスによる死者が5人にとどまっており、封じ込めに成功している。陳建仁(Chen Chien-jen)副総統によると、台湾は昨年12月31日、人から人への感染についてWHOに警告していた。

 疫学者でもある陳氏は英紙フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)に対し、台湾の医師らは中国・武漢(Wuhan)の医師らが罹患(りかん)していると把握していたが、WHOはその情報を確認しようとしなかったと述べた。

 台湾は9日、WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長が、新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)への対応をめぐり、自身に対する個人攻撃とWHOに対する批判を台湾政府が主導していると非難したことを受けて、テドロス氏に謝罪を要求した。

【翻訳編集】AFPBB News

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