米トランプ大統領が3日(2020年4月)、「国防生産法に基づいて医療用製品の輸出を禁止する」と発表したことが世界に波紋を広げている。各国でマスクの必要性が叫ばれる中、国内向けの製造・供給を優先するため、「N95」と呼ばれる高性能マスクや医療用手袋などの輸出をやめるというのだ。

国防生産法によって協力を求められた民間企業の1つ、大手化学メーカー「3M」はこれに反発。「アメリカで製造するカナダ向けの製造などを停止するように要請された。しかし我々はそれらの国々の消費分の大半を供給している。輸出停止はその国々の医療関係者に対し非人道的な行為である」と非難した。

米メーカー「非人道的な行為だ」とトランプ氏を批判

また、カナダのトルドー首相は「我々は報復措置や罰則を検討していない。両国に必要な物資やサービスは双方向に流れるべきで、その流れを制限することは双方の利益にならない」と語り、トランプ大統領を批判した。

マスクをめぐる軋轢はこれだけではない。4日付のドイツの「フランクフルター・アルゲマイネ」紙は「何千ものマスク消失現代の海賊行為?」と言う見出しでアメリカを非難。記事によると、ベルリン警察が発注した20万枚ものマスクが中国から輸送される際、経由地のタイで何者かに奪われたというのだ。マスクは3Mの中国工場で製造されたもので、その後アメリカに渡ったと報じられている。

狙われる経由地、マスクが輸送中に消える

また、フランスの地方自治体が中国のマスクメーカーに注文したマスクが届かなかった事例もある。仏の報道によると、中国の空港でアメリカ人が現れ、「フランスの提示価格の3〜4倍の値段で現金で買う」と言って持ち去ったという。

しかしそのドイツやフランスもマスク争奪戦に違う形で参加している。スウェーデンやスイス、イタリアなどに輸送中のマスクを、自国を中継する際に押収したり差し押さえたりしているという。

山夕貴アナ「ちょっと嫌な空気が流れています。各国がこのように自国中心になると今後が不安になります」