連載9回目に登場してくれたのが西川潤だ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、1年の延期が決定した東京五輪。本連載では、本大会での活躍が期待される注目株のこれまでキャリアや夢舞台への想いに迫る。

 9回目に登場するのは、スピードに乗ったドルブルと卓越したシュートセンスで違いを作り出す、セレッソ大阪の高卒ルーキー西川潤だ。
 
 中学2年で全国制覇を成し遂げ、桐光学園高でも3年次にインターハイ優勝を経験。世代別代表でも活躍し、同世代のトップランナーのひとりとして走り続けてきたレフティは、これまでどんなサッカー人生を歩んできたのか。
 
 後編では、セレッソ入団を選んだ理由や強化指定選手としてプレーした昨シージン、そして今後のビジョンなどについて話を訊いた。

前編はこちら
【連載・東京2020】西川潤/前編「いきなり10番を付けるなんて聞いてなかった。最初は先輩たちの目が…」

中編はこちら

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――高校3年になる前の3月にセレッソ入団が内定しました。他のクラブからもオファーがあったと思いますが、決め手となったのは? 

「攻撃的なスタイルやロティーナ監督のサッカーに感銘を受けたのが大きいですね。いまのサッカーは守備のコンセプトが重要だと思っているので、自分はそこをもっともっと身に付けていかなければいけない。その中で自分の良さが出せるチームだと思いました」

――古巣の横浜F・マリノスは考えなかった?

「もちろん考えましたが、セレッソのほうがより熱意を感じたんです」

――19年4月のコンサドーレ札幌戦でJ1デビューを飾ったときの感想は?

「意外とリラックスしていて、余計なことは考えず、ピッチに入った時は冷静でした。ただ、シュートを打ったら、いままでに蹴ったことのないようなゴロになってしまって。あれっ?って感じで(笑)。自分では特別意識してないつもりでしたけど、普段通りではなかったのかもしれないです」

――ルヴァンカップも合わせて、特別指定だった昨季は3試合に出場しました。

「相当大きかったですね。プロの試合に出るということは初めてだったので。いち早くプロのレベルを肌で感じられたのは、いい経験になりました」
 
――高校とプロでもっとも違いを感じたところは?

「戦術の細かさ、パワーとスピード、プレーの強度ですね」

――セレッソのチームメイトで「凄いな」と思った選手は?

「清武(弘嗣)選手と柿谷(曜一朗)選手です。ボールタッチとかシュートセンスとかが凄いな、と」

――プロで対戦して凄いと思ったディフェンダーは?

「特にいないです」

――ロティーナ監督からはどんな言葉を掛けられてますか?

「戦術的な指示が多いですね。ポジショニングだったり、動き出しだったり」

――狙うのは右サイドハーフのレギュラー?

「いまは右をやったり、トップ下をやったりしています。どこで出るかは監督の判断ですけど、どこで使われても自分の良さを出せるようにしていきたいです」

――大分トリニータとの開幕戦は、ベンチ入りしましたが出番がありませんでした。

「呼ばれなかった時は悔しかったですけど、切り替えてその後の練習に臨めています」

――セレッソのファンに一番観てほしいところは?

「ドリブルと勝負を決定づけるスルーパス、ゴールに直結するプレーに注目してほしいですね」

――参考にしている選手は?

「右サイドハーフをやる機会が多いので、同じ左利きで右サイドをやっているアタッカーの映像などは見ますね。(マンチェスター・シティのリャド・)マハレズとか」
 
――新型コロナウイルスの影響で、Jリーグは中断期間に入っています。練習も難しい部分があると思いますが。

「何試合も中断しているので、再開したら過密日程になる可能性があります。そうなると総力戦になりますし、一人ひとりの意識や結束力は高まっていると思います。全員で戦っていくんだという雰囲気になっています」

――今シーズンの目標は?

「試合に出るのが大前提ですし、結果を出して、飛躍できるようなシーズンにしたいですね。そのうえでファンの皆さんに楽しんでもらえるようなプレーができたらいいですね」

――東京オリンピックに向けての抱負は?

「もちろんメンバーに入りたいという気持ちはあります。ただ、試合に出ないことには評価されないので、まずはチームで結果を残せるようにしていきたいです」
――U-17ワールドカップでコンビを組んだ若月大和選手はJリーグを経験する前に海外(スイスのシオン)へレンタル移籍しました。自分も海外でという想いは?

「将来的にはあります」

――バルセロナが関心を寄せているという現地報道もありました。

「光栄です。ただ、海外移籍は自分の現状の実力とどれぐらい通用するのかというのを考えながら、時期を決めていきたいと思います」

――マジョルカの久保建英選手とは同学年ですね。

「地元が一緒で、彼は小さい頃から有名でした。スペインで活躍しているのは凄いと思いますが、同学年ですし負けてられないので、追い付け追い越せで頑張っていきたいです」
 
――最後に、今後のビジョンや夢は?

「サッカー選手というのは、その時々で目標も変わってくる。なので、どこのリーグでプレーしたいとか、そういうのは言いにくいですね。いつか海外でプレーしたいとは考えています」

PROFILE
西川潤/にしかわ・じゅん/2002年2月21日生まれ、神奈川県出身。180センチ・70キロ。青葉FC―横浜Jrユース―桐光学園高−C大阪。キレのあるドリブルと巧みなフィニッシュワークが魅力で、高卒ナンバーワンアタッカーとの呼び声が高いルーキー。桐光学園高では1年次から10番を背負い、3年次にはインターハイで全国制覇を果たす。昨年は特別指定ながらJデビューを飾り、またU- 20ワールドカップとU-17ワールドカップに出場して世代別代表でも活躍。冬にはスペインの名門バルセロナからの関心が報道された。

取材・文●江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)