換気のために窓を開け、集団発生の防止法「3つのNO密」を書いたポスターを貼る吉田会長(京都市右京区)

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 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、京都市右京区・西京区の嵐山周辺の商店主らが、密閉空間を避けるなど集団発生が起きる条件を避けた観光を提案するポスターを作製した。「NO密」とした文言と、嵐山のゆるキャラを使ったユニークな仕上がりで、「観光客が激減し、打つ手もないが、来てくれた人に正しい知識を少しでも楽しく伝えたい」としている。

【写真】桜が満開だが、閑散としている中之島公園

 嵐山の5商店街でつくる嵯峨嵐山おもてなしビジョン推進協議会が企画した。同会は、コロナの影響で訪日観光客が激減した2月中旬、「スイてます嵐山」とする誘客キャンペーンを実施。「竹林#人いない」「人間よりサルの方が多い」とした自虐的な文言が話題を呼び、京阪神の若者を中心に日本人観光客が増える現象が起きた。

 しかし、東京都で感染者の増加が明らかになった3月中旬から再び減り、京都産業大の学生による集団感染が発生した後は、さらに激減したという。

 嵐山は現在、桜が満開で、例年なら国内外の観光客でごった返す。桜の名所、中之島公園で40年以上、飲食店を営む吉田憲司会長(66)は、「桜の時期にこんなに人が歩いていないのは初めて」と声を落とす。桜と紅葉のシーズンで、年間の半分近くを売り上げるが、今年は全く見込めないという。

 ただ、この数週間の感染拡大の状況から、「満開だからぜひ来てと積極的な誘客はさすがにできない。生活もかかっているため、苦悩しかない」と本音を漏らす。

 そこで、嵐山を訪れる人に、せめて集団発生が起きる「3条件」を伝え、安全に観光を楽しんでもらおうとポスターを制作した。ゆるキャラ「月橋渡」のイラストを使い、「密閉空間、密接場面、密集場所。3つの密を避けて嵐山を満喫しましょう」と呼び掛け、手洗いや除菌の重要性も明記した。

 吉田会長は「自粛ムードの中だが、各店では、換気や消毒を徹底し、迎える準備だけはしておきたい」と話している。

(まいどなニュース/京都新聞)