村井満チェアマン

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 Jリーグは3日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う第5回臨時実行委員会をオンラインで実施し、公式戦の再開日を「白紙に戻す」ことを決定した。実行委員会終了後、村井満チェアマンがメディア向けのオンラインブリーフィングで発表した。

 Jリーグはこれまでの間、合計3度の延期を決定。直近では3月25日の段階で、J3・4月25日、J2・5月2日、J1・5月9日再開というカテゴリ別の段階的な再開スケジュールを策定していた。ところが今回の決定では、再開日を組み直す「再延期」という形ではなく、期日などを設定しない「白紙に戻す」という形が取られた。

 村井チェアマンはこの意思決定の理由を「専門家の皆さんのトーンが明らかに従来のトーンと変わっており、私の中でのマインドもいったんリセットするタイミングとなった」と述べた。「専門家のトーン」とは3日午前、Jリーグと日本野球機構(NPB)でつくる『新型コロナウイルス対策連絡会議』の第5回会議で、両団体に示された助言のことだ。

 連絡会議の中で、専門家3人は「確実にフェーズが変わりつつある」「(これまで二つの意義を意識していたが、)第三の意義が課せられた。それは社会に対する責任だ」などと状況の変化を次々に指摘した。単なる感染者の増加だけでなく、健康管理を徹底している選手の感染や、一般にも感染経路が特定できない症例が増加していることを受けての認識だ。

 こうした情勢を受けて、連絡会議のテーマは「どのようにすれば試合を開催できるか」から「果たして試合を開催できる状況なのか」に移っていった。その結果、Jリーグが行うべき対策も転換を迫られることになった。

 これまでJリーグでは観客を含めた『密閉・密集・密接』3要件の回避、消毒液やサーモメーター(体温測定装置)の準備、選手・関係者の予防啓発など、感染リスクの最小化が直近の課題だった。また、それらの万全が確認できれば試合開催に踏み切る方針だった。ところが現状では、その要件を満たしても国内全体の感染リスクが開催を許さない状況となった。

 したがって、カテゴリ別で段階的再開を目指すというスケジュールなども白紙にせざるを得なくなった。感染リスクがスタジアム内にとどまらない以上、J3向けに観客の収容率を落とし、感染症例の少ない地方都市で開催しても、選手・関係者らが移動するだけでもリスクに晒されるためだ。それは無観客試合でも同様だと指摘されている。

 一方、専門家からは「ピークは4月〜5月と考えていて、5月の終わりごろであれば何とかなるのではないか」という希望も示された。その上で「今年は無理だというのは簡単だが、それはあり得ないと思っている。期待も込めて一つの目安を提示した」とし、今後も開催への議論も継続していく構えだ。

 村井チェアマンによれば、再開日に関する合意事項は「1か月以上後ろにずらす」(村井チェアマン)という形。最も直近に控えていたJ3リーグのスケジュールであれば、助言どおりに5月下旬あたりの再開となる見込みだ。なお今後の詳細な日程は、すでに立ち上がっている日程プロジェクトチームで協議を重ねていくという。

(取材・文 竹内達也)