「入院中、医師や看護師をはじめとする全ての医療関係者の献身的で科学的根拠に基づいたプロフェッショナルな仕事に感銘を受けました。頭の下がる思いです。ところが、その一方で、医療従事者やその関係者に対する偏見が起こっていることも耳にします。防護服や医療機器の供給についても多くの人々が懸命に取り組んでいると聞いています。新型コロナウイルス感染症の治療と拡大防止に全力を注いている多くの関係者の皆様を疲弊させたり、偏見や差別につながる言動、医療崩壊につながる行為をなくさなければいけないと思います」

「また、私も経験しましたが、組織を守ること、批判を気にするあまり、情報発信の際、患者、そしてその関係者のことを忘れてしまうことが起こりがちです。それが偏見や差別に繋がるということも忘れてはなりません。サッカー界も人々に優しい組織でありたいと、あらためて強く感じています。いろいろな意見や批判がある中で、これまで医療崩壊を防ぎながらさまざまな対策を実行してきた多くの関係者、政府の皆様、医療関係者の皆様にあらためて感謝を申し上げます。海外の政府の事例を見ても分かる通り、このような前例のない状況下では、揺るぎない信念を持ち、その時々で前例にとらわれない決断や多くの困難が伴う決定をしていかなければなりません」

「2023年のFIFA女子ワールドカップ招致のために3月上旬に訪れたイギリスやオランダ、アメリカは、現在とは全く異なる感染防止対策を行っていました。招致のライバル国であるオーストラリア/ニュージーランドやコロンビア、ブラジルなども招致活動を行っていましたが、わずか1カ月で全く違う街になっています。多くの方々の協力で感染拡大を抑止し、医療崩壊を防いでいる日本という国の底力をあらためて感じています。状況は刻々と変化しており、これからも困難が伴う難しい決断がされると思います。私たち、JFAも批判を恐れずに多くのことを決定していく必要があります。我々の責務は、再び日本中で老若男女が笑顔で安心して安全にサッカーを楽しめるようにすることです。JFAだけではなく、全ての関係する団体の皆様やサッカーファミリー、ファン・サポーターの皆様と心を一つにして、覚悟を持って取り組んでまいります。JFAの会長として、未来を予測して決断し、前に進むために全力で実行してまいります」