現在アメリカでは、新型コロナウイルス感染拡大を防止するために、学校が一斉休校になり企業も商業施設も個人商店も営業自粛中です。

その結果、大量解雇が発生し、日々不安を募る情報が絶え間なく報じられる中、誰もが感染リスクにおびえながら暮らしています。

この異常な状況下でリモートワークをする人が激増していますが、オフィス勤務からリモートワークにスムーズに移行して、普段通りに仕事をすることを従業員に期待する雇用主がいるのは、困ったことです。

はっきり言って、そんな期待に応えるのは無理です。

リモートワークにストレスを感じて当然

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「新型コロナパンデミック時のリモートワーク」は普段の「リモートワーク」とは違います。現代史上、前例のないことが起こっているので、いつも通りの生産性を維持できなくても全く問題ありません。ストレスを感じて当然なのです。

リモートワークで疲弊する人へ|この際、生産性は忘れよう

絶望的な気分になったら、リモートワークができるのは運が良い方だと思いましょう。失業した人は山ほどいますし、病院、スーパー、公共交通機関、警察など国民生活や社会機能を維持するためにどうしても欠かせない仕事に就いている人たちは、感染リスクがあっても出勤しているのですから。

でも、この状況でリモートワークをするのは、もちろん大変です。

アメリカが前回この規模のパンデミックを経験したのは1世紀も前のことですから、これほど長く閉鎖された生活を経験したことがある人は誰もいませんし、ここまで行動を規制されるのも初めてです。

何しろハグをすることまで規制されているのですから。

これほど多くの人が、愛する人の健康と安全を守ることに心を砕いているときは、いまだかつてありません。

アメリカは以前にも国家緊急事態を経験したことも、コントロール不可能な要因による危険に不安を抱いた経験もあります。

しかし、生命の存続を脅かす脅威が遍在する状況に直面したことはありません。ですから、こんなときに平常時と同じように仕事することを期待するなんて愚かにもほどがあります。

在宅の時間を活用するもしないも自由

かつて、アイザック・ニュートンはペストの大流行から逃れて隔離生活をしていたときに「万有引力の法則」の発見をはじめとする3大業績を成し遂げたとか。シェイクスピアは疫病で死者数が増加したために劇場が閉鎖を余儀なくされたので、演劇の代わりに『ソネット集』と呼ばれる詩集を書いたとか。

でも、私たちはニュートンでもシェイクスピアでもありません。多くの人は、まずは、料理、掃除、育児をやりくりしながら、生活費を稼ぐために仕事もしなければなりません。万有引力の法則を発見したり、文学の傑作を執筆する余裕なんかあるわけないでしょう。

私は、この普段とは異なる状況を活用して、前々からやりたかったプロジェクトに注力したいと思ったのですが、とても無理です。まず、時間がありません(理由は上述の通り生活をやりくりするのに忙しすぎるからです)。

ですから、読者の皆さんも「私だって趣味に没頭している時間など無い」と思うなら、それは現実の世界で生きている証拠です。

繰り返しますが、今は異常事態であり、通常のリモートワークのセットアップではありません。ほとんどの人が、命の危険がある目に見えない脅威から身の回りの人を全員安全に保ちながら、帳尻を合わせようと奮闘しています。

つまり、今は不安な心にフタをしながら、育児、子どもの自宅学習、料理、掃除をやりくりしているのです。同時に、健康を守るために取るべき対策も必死で講じています。

生産性が落ちてもしょうがないと割り切る

私の現実を切り取ってご紹介すると、こんな感じです。

30分後に会議があるのに、息子が転んで唇を切って血が出ている。そうだ! 明日が締切のレポートがあるのを思い出した。それを仕上げる時間が見つかるかな?

こんなふうにやることがめちゃくちゃ多いのです。

日々不安が増し、叫び出したくなるような深い恐怖が頭をもたげます。

感染して、私がいないと生きていけない人たちを残して死んだらどうしよう。

おばあちゃんや化学療法を受けて回復中の従兄に知らないうちに新型コロナウイルスを感染させていたらどうしよう。

外出するたびに感染リスクが伴います。誰かと少しでも対面でやり取りすると、感染リスクがあります。

一般的に「リモートワークは通勤する必要が無いので生産性が高まる」と言われますが、今はその一般論は通用しません。

なにしろ新型コロナウイルスのパンデミックの最中ですから。これは「ペストの流行」の現代版みたいなものです。それが理解できない人には、明確な言葉で「今は非常時のリモートワークだから、生産性が低くなっても当然です」ときっぱり宣言して、自分もそのことを肝に銘じましょう。

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Source: The Washington Post, The Atlantic

Rachel Fairbank - Lifehacker US[原文]