学生から見ると、社会人はつまらなさそうに見えてしまいます。人生を謳歌している先輩社会人はいるのでしょうか(写真:ふじよ/PIXTA)

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来月から正社員として某企業に就職予定の者です。質問ですが、なぜ会社員の方たちはいつも非常につまらなそうに見えるのでしょうか? 電車の中、通勤や帰宅時、表情も暗く下を向いている人ばかりだし、正直この先自分もその1人になるのかと思うといったい何のために頑張って勉強して就職活動をしてきたのかがわからなくなるときがあります。

飲み屋での愚痴大会への強制参加は減ってきていると言われていますが、本当のことはわかりません。

就職活動時に大学のOBに会いましたが、学生の頃はイケイケで世界を変えると言って元気のあった先輩が何だか元気がなくなっているのを見て、げんなりした記憶もあります。服装も髪型も当時の面影はまったくありませんでした。

今後上司や先輩がそんな方ばっかりな可能性を想像してしまい、何だか暗くなる一方です。どうしたらそういったつまらなそうな会社員にならずに済むのでしょうか。そもそも人生を謳歌している会社員っているのでしょうか?

学生 杉山

「会社員」とひとくくりにするのはナンセンス

他人の批判をする人は批判対象の一部しか知らない、または間接的にしか知らないにもかかわらず、自分と違う、自分の常識と違う、または「違いそうだ」という理由だけで批判をするものです。


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他人の批判をしない人は自分にとって正解だと思える幸せな人生を歩んでいるがゆえに、わざわざよく知りもしない人の批判をするという考えすら持っていません。

人生は人それぞれだと思いますから、「会社員」とひとくくりにしてしまうこと自体がナンセンスです。

「仕事がつまらない」。仮にそう考えている人がいたとします。であれば当然仕事をしている時間はその人にとっては苦痛な時間でしょうから、少なくとも仕事時間中は生き生きとはしていないでしょう。

しかし、その人にとっての生きがいが仕事ではなく、週末にやる趣味だったり、家庭に帰り家族と共に過ごす時間だとしたら、その時間帯には生き生きとしていることでしょう。

その人は会社での評価は低いかもしれませんが、家庭内では非常にいいパパであるかもしれませんし、趣味の世界では集団を率いる師匠なのかもしれません。

つまり、ある一面だけ見るとなんだかつまらなそうに見えるかもしれませんが、他方では人生を謳歌している可能性もあるということです。反対に、家ではダラダラとしている人が、平日の仕事ではバリバリと働いているようなこともあるわけです。

このように、本当の意味で人を判断しようとしたら、ある一面やある一瞬だけ見ては判断を誤るということです。

ましてや、直接的に知りもしない、誰かに聞いただけ、どっかの記事で読んだだけでその対象を批判したり、対象者の全人格を否定するようなことは決してするべきではありません。

杉山さんのケースでは通勤で見る姿が、という話ですが、これもイメージで判断をしてしまっているのかもしれませんね。

反対に考えて見ましょう。朝の通勤時にやたらとテンションが高くて、「今日もバリバリ仕事やるぜぇ〜」などと叫んでいる方がいたら、そのほうが違和感ありますよね。

自分がどう周りを見るかは、個々人の考え方や価値観、そのときの気分によっても変わってきますので、「通勤時につまらなそうに見える」会社員たちの姿も、杉山さんが何年か社会人として仕事を経験してくると、景色が変わって見える可能性も大いにあります。

とはいえ、大切なことは「批判よりも行動」です。今現在、「大人はつまらなそうだ」、と見えてしまったのであれば、杉山さんご自身がつまらない大人にならないという初心を貫徹することが大切なのです。

なお、ここでいう「つまらない大人」も個々人によってその定義は異なりますから正解はありませんが、杉山さんの中には「つまらない大人像」があるがゆえに、周りがそう見えるのでしょう。

「批判よりも行動」の精神で

したがって、ご自身がそうならないように、つまり、ご自身がご自身にとっての正解と思える生き方を、周りの景色を反面教師として貫徹することにまい進するべきなのです。

もちろんその「正解と思う生き方」も成長し、経験を重ねるにつれて変化してくるでしょう。

そして、そのときは同じ通勤風景を見ても景色は変わっているはずです。それ自体は自然な成長ですから、よいことです。

一方で、つねに自分らしくあるためにつねに努力し、自分自身の生き方に対して満足であれば、よく知らない他人の批判や批評がいかに生産性のないことかが見えてくるはずです。そしてそれも人としての成長であり、成熟です。

社会とはそもそも人と人との関係性の中で成り立っているものです。

その社会の一構成員である個々人が、自分の思う幸せの形を追求し、そのうえで他人の考えや生き方を尊重し合えることが大切なわけです。

そのためには、まずは自分自身から行動を起こさないといけません。自分自身が自分であり続けるために、「批判よりも行動」の精神で、まずは自分を律し、もって周りにもそのパワーを与え、いい影響力を行使できるような、そういった人生を歩めるといいですね。

よりよい社会の構築に向けて、杉山さんが周りにいい影響を与えるようなすてきな社会人に成長されるであろうことを応援しております。