NECは3月31日、国土交通省における「遠隔操縦における作業効率向上に資する技術(無線通信技術、映像処理技術)」の技術検証に参画し、建機の遠隔操縦において同社の適応遠隔制御技術を用いることで、従来の制御技術より優れた作業効率が実現可能なことを実証したと発表した。

実証実験の様子

実証は、国土交通省九州地方整備局九州技術事務所が行い、昨年10月に長崎県の同省雲仙復興事務所の作業現場(水無川1号砂防堰堤内上流)で実施。重機(バックホウ)に設置されたカメラの映像を約100m離れた場所にある遠隔操縦室に無線で送り、その映像を見ながら土砂掘削の遠隔操縦を行った。

実証に用いられた適応遠隔制御技術は通信の実効伝送量を予測し、伝送量に見合う安定した映像配信と制御が可能な技術。同技術の活用により、映像配信の遅延を予測して安定した映像を伝送するとともに、建機操作コマンドの到達遅延も予測し、操作の行き過ぎの発生を抑制することを可能としている。

実証結果については「映像の解像度」「映像の安定性」「作業効率性」の3項目について検証を行い、すべてにおいて従来技術より優れているとの結果が得られ、作業効率向上に資する技術と評価されたという。

映像の解像度に関しては従来技術参考値の640px × 480pxと比較し、実証では750px × 700pxと受信側の解像度が向上した。安定性については、伝送遅延時間は従来技術参考値の500msと比較して328msと向上し、映像の乱れ・コマ落ち・ノイズも発生しなかった。作業効率性では、30立方メートルあたりの作業時間は、従来技術参考値の60分と比較し、25分33秒と約2.3倍に向上した。

今後、同社では国土交通省の公共工事などで活用する新技術を提供するデータベース「NETIS(New Technology Information System)」へ適応遠隔制御技術の登録を進め、同技術により、ネットワークを柔軟に活用し、人・モノが生み出すデータを産業の枠を超え賢くつなぐ「NEC Smart Connectivity」の提供を加速させることで、新たな社会価値を創造していく考えだ。