大戦争を挟んで激動の昭和という時代、福島出身の青年が歌手を目指す女性に出会い、音楽の力で人と人とを結び、勇気づけた夫婦の物語のはじまりである。1964年(昭和39年)10月10日、東京オリンピック開会式の朝だ。国立競技場では作曲家の古山裕一(窪田正孝)がなにやらそわそわしている。

まもなく開会式が始まり、自分が作曲した「オリンピック・マーチ」が世界に向けて演奏されるのだが、古山は緊張のあまり地下のトイレに姿を隠してしまう。「この会場にいるみんなは、曲を受け入れてくれるのだろうか」

妻に励まされて国立競技場の大観客席へ

あわてて古山を探しまわる妻・古山音(二階堂ふみ)は、裕一を見つけ出し励ます。「もう! まただわあ。大丈夫。あなたの曲は素晴らしいんだから」

それでも尻込みする裕一だったが、そこへ長崎出身の警備員が古山に声をかける。「先生の『長崎の鐘』に励まされました。きょうは先生の晴れ舞台です。どうぞ会場へ」

その言葉に励まされて、裕一と音は大観衆の国立競技場の大観客席に立った。(NHK総合あさ8時)