東大出身者の満足度が高い企業ランキングでは外資系コンサル企業が上位を占める

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プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)の本社が入る、神戸市の三宮ビル北館。同社は早稲田大学出身者の満足度で1位となった (写真:ヒラオカスタジオ)

新卒に限った話ではないが、就職活動をする際、勤めている人の評価や満足度というのは会社選びの大きな決め手になる。


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そんな中、最近注目されているのが、会社の口コミサイトだ。会社の社員が自社の状況について克明に書き込んでおり、そこに書かれている情報から会社の雰囲気を探る人たちが少なくない。主に転職活動をする人たちが利用していたが、最近は難関校を中心に、新卒就活生の活用も目立っている。会社が説明会等で流すような一方的な情報ではなく、隠しておきたいリアルな話を知ることができるからだ。

口コミサイトで就活する学生が増加

OpenWork(オープンワーク)はそういった会社の口コミを投稿・閲覧できる国内最大級のWEBサイトだ。会員数は350万人で、口コミ数は920万件にも及ぶ。

同社では投稿者に口コミだけでなく、自分の年収や残業時間、有給休暇の消化率についても入力してもらっている。会社側が公表する数値よりも大きく乖離していることも少なくない。

さらに、「人事評価の適正感」や「待遇面の満足度」「風通しのよさ」といった評価についても5段階でレーティングしている。

今回そのデータを使って、作成したのが、大学出身者別の「就職後満足企業ランキング」だ。これは、社員による会社の評価スコア(総合評価ポイント)を出身大学別に集計、ポイントの高い順にランキングしたものだ。その中から、同社の大学生会員が多い東京大学、早稲田大学、慶應義塾大学、について上位20位までをリストアップした。

なお、このランキングでは口コミが5件以上あった会社を対象にしている。いってみれば東大や早慶の卒業生が一定数入社している会社でないとランキングの対象にはならない。

東京大学出身者はコンサル企業に高い評価

それぞれの結果を見ていこう。

東京大学のランキングは、1位マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社、2位ボストン・コンサルティング・グループ、3位A.T. カーニーと外資系のコンサルティング会社がトップ3を占めた。

東大就活生の多くがコンサルティング会社やシンクタンクを志望するのは知られているが、卒業生の満足度が高いこともそうした人気を裏付ける結果となっている。コメントからは「個人をプロフェッショナルとして尊重する文化」やチームワークを重視し、互いに助け合う文化が浸透していることを挙げている。

以下、4位プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン、5位三井物産、6位アクセンチュア、7位電通、8位東京海上日動火災保険、9位楽天、10位三菱商事となっている。


早稲田大学出身者の満足度1位の会社は外資系の消費財大手・プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)となった。同社は、働きがいのある会社として高い評価を得ており、そうした点からも社員の満足度は高い。2位は平均年収ランキングでつねに上位にランキングされるキーエンス、3位は風通しのよさや20代成長環境で高い評価を得ているリクルートホールディングスが入っている。

早大はP&Gがトップ

以下4位グーグル合同会社、5位三菱商事、6位三井物産、7位デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー、8位博報堂、9位小松製作所、10位電通と続く。総合商社や広告代理店が多くランクインしている中、小松製作所といったメーカーもランクインしている。


慶応大学出身者の1位は日本放送協会(NHK)。全社員による会社評価スコアは3.3前後で推移しているが、慶応出身者に限ると高い数値になっている。2位はゴールドマン・サックス証券、3位はネスレ日本と外資系企業が続く。

慶応はNHKがトップ

以下4位キーエンス、5位アビームコンサルティング、6位東京海上日動火災保険、7位リクルートホールディングス、8位野村総合研究所、9位アクセンチュア、10位三井物産と、就職人気企業やコンサルティング会社が顔を出している。