「月曜日の収益がマイナスになりやすい」という月曜効果は、金融市場における説明の付かない怪現象を指す「アノマリー」の1つとして長らく知られていました。意思決定およびテクノロジー分析の専門家であるアメリカ・リーハイ大学のオリバー・ヤオ教授率いる研究チームは、この月曜効果が事実であることを確認し、月曜日(または休み明け)の労働効率は通常の日と比較して10%近くも下がることを突き止めました。

“Monday Effect” on Performance Variations in Supply Chain Fulfillment: How Information Technology-Enabled Procurement May Help | Information Systems Research

https://pubsonline.informs.org/doi/abs/10.1287/isre.2019.0870

The 'Monday effect' is real -- and it's impacting your Amazon package delivery | EurekAlert! Science News

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-03/lu-te022820.php

研究チームは、アメリカ政府が必要とする全ての汎用品目の買付けを担当する連邦共通役務庁の1年間の取引記録80万件超について、曜日ごとのパフォーマンスの変動を集計するという調査を行いました。その結果、研究チームは「曜日によってかなり体系的にパフォーマンスが変化する」ということを発見しました。

アノマリーが示唆していたように、とりわけパフォーマンスの変化が大きかったのが月曜日です。調査の結果、月曜日の発注が受理されてから出荷にかかるまでの時間は、月曜日以外の平日よりも9.68%長く、さらに従業員のヒューマンエラーなどが増加することも示されました。

研究チームによると、休み明けには配送センターで行われる仕分け作業(ピッキング)や荷物の積み込み、発送などの各種作業にそれぞれボトルネックが形成されます。このボトルネックが作業効率の低下とミスの増加を引き起こしているとのこと。

ヤオ教授が指摘する問題点とは、ほとんどのサプライチェーンの経営者がこの事実を認識していないということです。月曜効果が事実だと示された今、月曜日には特殊な対抗措置を執るべきだとして、ヤオ教授は具体策についても論じました。

ヤオ教授によると、月曜効果を減らす最も効果的な方法は、自動注文処理システムなどの「ITソリューション」です。ITソリューションを活用した場合、月曜効果による発注受理から出荷までの時間の遅延は80%も減少するだけでなく、ピッキングなどの荷物の出荷作業の遅延が71%、そしてミスの増加率が80%も減少するとのこと。ITソリューションは従業員が取り扱い経験に乏しいような、あまり頻繁に注文が来ない商品を処理する際に最も効果を発揮するそうです。

ITソリューションの他にも、「人員を増やす」「会議などを減らす」「従業員訓練の改善」「無料のコーヒーや楽しい会話でモチベーションを高める」「ダブルチェックを課す」といった措置を休み明けに実行することが経営上利点があるとヤオ教授は述べています。