GI皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)のプレップレースとなるGIIスプリングS(中山・芝1800m)が3月22日に行なわれる。

 このレースの過去の勝ち馬を見てみると、2011年のオルフェーヴル(※この年は阪神開催)を筆頭に、2013年のロゴタイプ、2015年のキタサンブラック、2017年のウインブライト、2018年のステルヴィオなど、のちにGIで戴冠を遂げる、そうそうたる顔ぶれが並ぶ。そして、1番人気は過去10年で、3勝、2着4回、3着2回、着外1回と、まずまずの戦績を残している。

 翻(ひるがえ)って、過去10年で5番人気以上が3勝。6番人気以上の伏兵が馬券圏内(3着以内)に絡んだ年が7回あって、3連単では昨年の23万5870円をはじめ、好配当がしばしば生まれている。

 はたして、今年はどうか。デイリー馬三郎の木村拓人記者はこう語る。

「今年は10頭立ての少頭数なので、大波乱という結果は考えづらいですが、かといって、人気上位の馬がすべて、全幅の信頼がおけるのかというと、そうとも言えないですね。

 GIホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)2着のヴェルトライゼンデ(牡3歳)は、今回のメンバー構成であれば、大崩れしにくいと思いますが、決して圧倒的な存在ではありません。取りこぼしもあり得ます。

 オープン特別のジュニアC(1月6日/中山・芝1600m)を快勝したサクセッション(牡3歳)も、完成度の違いで、ここも難なくクリアしてもおかしくありませんが、動きからは短い距離のほうがよさそう。考え方によっては、むしろ危険な人気馬と言えるかもしれません」

 こうした状況にあって、どういった馬が狙い目になるのか。日刊スポーツの太田尚樹記者は、こう分析する。

「一見、堅そうなレースに見えますが、実は勝負づけが済んでいないメンバーの集まり。また、過去5年の成績を見てみると、勝ち馬5頭のうち、前走が500万条件(現1勝クラス)だった馬が4頭もいますから、そこら辺に”下剋上”の可能性を感じます」

 そして、太田記者がまず注目するのは、シルバーエース(牡3歳)。前走、1勝クラスのつばき賞(2月22日/京都・芝1800m)では3着だった。

「前走は3着に負けましたが、勝ちに等しい内容だったと思います。直線半ばでは一旦、先頭に立つ場面があって、そのまま押し切るかに見えたのですが、最後はやはり重馬場が響いたようです。同馬を管理する橋口慎介調教師も、敗因として『馬場がだいぶ悪くて、(それを馬が)気にしていたところがあった』と言っていました。

 なお、前走は約2カ月ぶりのレースでしたが、今回は中3週と間隔を詰めて、状態面での上積みが見込めます。良馬場なら、面白いと思いますよ」

 太田記者はもう1頭、未勝利、1勝クラスと連勝中のファルコニア(牡3歳)の名前も挙げた。

「こちらは人気になるかもしれませんが、同日に行なわれるGII阪神大賞典(阪神・芝3000m)に出走するトーセンカンビーナの全弟で、前走の1勝クラス・あすなろ賞(2月15日/小倉・芝2000m)では、その兄と同様の、鮮やかな末脚を見せて快勝しました。

 2走前の未勝利戦では、早め先頭からの勝利。逃げ、追い込み、どんな競馬もできて結果を出せるのは、頼もしい限りです。同馬を管理する角居勝彦調教師も、『能力のある馬。子どもっぽさが抜けてきて、我慢して指示を待てるようになってきた』と、精神面における成長を認めています。今の充実ぶりなら、決して侮れませんよ」


先行力を生かして、皐月賞出走への権利獲りを狙うココロノトウダイ

 一方、木村記者は、ココロノトウダイ(牡3歳)を推す。

「前走のGIII共同通信杯(2月16日/東京・芝1800m)は、プラス12kgと緩めの馬体でした。それでいて、先行して、しぶとく5着に踏ん張りましたから、ここはもう一度、見直してもいいと思っています。

 人気のヴェルトライゼンデは、終(しま)いを生かす競馬をすると思いますが、悠長に構えていると、この馬に押し切られることも十分に考えられますよ。同馬を管理する手塚貴久厩舎としても、弥生賞で2着となった管理馬ワーケアが皐月賞には向かわない分、この馬に期するところもあるはずです」

 木村記者ももう1頭、気になる馬がいると言う。

「アオイクレアトール(牡3歳)です。中穴狙いでいくなら、この馬でしょう。前走の1勝クラス(2着。2月23日/東京・芝1600m)もそうでしたが、常にしぶとく脚を使って、上位に粘り込んでいます。

 今回、初の中山となりますが、問題はありません。むしろ、ここ2週の雨の影響で、力の要る馬場になったことは、この馬にはプラスになるのではないでしょうか」 今年の3歳重賞では、1番人気が未勝利。波乱の展開が続いている。スプリングSもそうしたムードが高まっており、ここに挙げた4頭がその立役者となっても不思議ではない。