先週末声明を発表したスペイン国王フェリペ6世。2014年に生前退位した父のフアン・カルロス前国王から相続する財産をすべて放棄することを明らかにした。また前国王に対する年金21万5,000ドル(約2,200万円)の年金の支払いも停止するという。声明によると前国王はこれに同意している。

気になるのはその理由。声明でフェリペ6世は「君主としての模範を保つため」と説明しているが背景にあるのは前国王の金銭にまつわるスキャンダル。前国王は2008年にサウジアラビアから1億ドル(約106億円)を受け取ったという。これはサウジアラビアのメッカとメディナの2都市を結ぶ高速鉄道の契約にまつわる収賄だという疑いが浮上している。前国王は受け取った金から7,500万ドル(約80億円)を元愛人に贈ったという報道も! フェリペ6世も前国王の怪しい金のやり取りから恩恵を受けているのでは? と疑う報道も出てきていた。フェリペ6世は今回の決定で父から距離を置くこと、スキャンダルと自分は関係がないと示したかったと見られている。

スペイン王室と言えばフェリペ6世とレティシア妃の美男美女ぶり、レオノール王女とソフィア王女の才色兼備ぶりで人気。でも前国王はスペインが経済危機に瀕している最中にアフリカに愛人と一緒に旅行に行き、ゾウの狩猟を楽しんでいたことが発覚したり、フェリペ6世の姉クリスティーナ王女夫妻が公金横領で訴えられたりと、なかなかスキャンダラス。今回の声明で父子の確執に改めて注目が集まりそう。