GI桜花賞(4月12日/阪神・芝1600m)のプレップレースとなるGIIフィリーズレビュー(阪神・芝1400m)が3月15日に行なわれる。

 1着同着となった昨年は、3連単が2通りとなって、その配当は半額ずつになったものの、ひとつが26万4800円、もうひとつが15万4980円と、ともに高配当となったが、同レースはもともと「荒れるレースとして定評がある」と、デイリー馬三郎の吉田順一記者は言う。

「フィリーズレビューは過去10年で、6番人気以上の馬が8回も連に絡んでいて、波乱の多い重賞のひとつと言えます。そうなる要因は、出走馬の大半が、桜花賞のトライアルというより、ここで”実を取りにくる”からです」

 日刊スポーツの松田直樹記者もまた、フィリーズレビューは波乱が起こりやすいレースとして、その理由についてこう語る。

「同じトライアル戦でも、本番の桜花賞と同じ舞台で行なわれるGIIチューリップ賞(阪神・芝1600m)は、2歳時から実績を残している実力馬が毎年こぞって出走してくるレース。その点が、フィリーズレビューとは大きな違い。実際、フィリーズレビューの過去5年の出走馬を見てみると、前走で、重賞で連対していた馬は、2019年のアウィルアウェイとホウオウカトリーヌの、わずか2頭しかいません。

 言い方は乱暴ですが、それだけ先を見据えた実力馬の出走は少なく、桜花賞の出走権を狙っている馬でも、『強敵を避けて』といった後ろ向きな理由による出走が多いため、人気馬の意外な取りこぼしにつながっていると思います」

 では、こうした傾向にあって、どんな馬が狙い目となるのか。松田記者はこう分析する。

「ポイントは距離。チューリップ賞より1ハロン短い距離に適性のある馬、あるいは”距離の壁”を感じて、ここに勝負をかけてくる馬が穴を開けています。短距離志向が強い1勝馬などから”隠れた実力馬”を探すのが、的中への近道と言えるのではないでしょうか」

 そこで、松田記者は1勝馬のマテンロウディーバ(牝3歳)を推奨する。

「同馬は、阪神・芝1400mの新馬戦を快勝したあと、前走でオープン特別の紅梅S(1月18日/京都・芝1400m)に出走。同レースでは、出負けしたうえ、序盤3ハロンが新馬戦より2秒も遅く、3角まで行きたがったことが影響して3着に終わりました。

 それでいて、ラスト3ハロンはメンバー最速タイムを記録。序盤で脚を温存した先行馬2頭によるワンツー決着となりましたが、強さが際立っていたのは、後方から強襲してきたこちらのほう。重賞となって、ペースアップが叶えば、今度はもっと楽な競馬ができるはずで、侮れない1頭ですよ」

 マテンロウディーバは、母が英国のGI勝ち馬であるライトニングパールで、叔父にGI2勝のサトノクラウンがいる良血。レースレベルが上がってこそ、その真価を発揮してもおかしくない。

 松田記者はもう1頭、人気落ちのオープン馬にも注目する。

「ルーチェデラヴィタ(牝3歳)です。距離1400mのレースになって、見直したい1頭です。前走のGI阪神ジュベナイリフィリーズ(12月8日/阪神・芝1600m)ではイレ込みが目立って、まさかの最下位(16着)でしたが、レース後、4戦すべての手綱をとってきた池添謙一騎手が、『フケ(発情)がきていた』と強調。参考外の一戦と言えます。

 これまでの2勝は、1600m戦と1800m戦。今回、初の1400m戦になりますが、勝ったレースではすんなり先行していたように、距離対応の下地はあります。マイル戦のチューリップ賞ではなく、こちらに駒を進めてきたのは、陣営もそうした手応えがあってのことだと思います」


休養を経て、成長を遂げたヤマカツマーメイド

 一方、吉田記者はまず、ヤマカツマーメイド(牝3歳)を推す。兄姉にヤマカツエース(父キングカメハメハ)、ヤマカツグレース(父ハービンジャー)といった活躍馬がいる血筋で、同馬も期待の1頭と言える。

「父がロードカナロアとなって、この馬はマイル前後でかなり活躍できそうです。前々走のGIIIファンタジーS(11月2日/京都・芝1400m)と、前走の阪神JFでは、ともに高速決着となり、もうひと押しを欠きましたが、それでも4着、5着という結果でまとめているあたりは、素質の高さでしょう。

 昨年7月にデビューしてから、月一走ペースで使われてきましたが、前走後に休養をとって英気を養ったことで、前腕のボリュームが増し、前後のバランスが格段に良化。稽古もビシビシとやれており、昨年とは別馬と言っていいぐらいに成長しています。スピードに加えて、パワーもあり、阪神の芝1400mは歓迎のクチ。さらに、血統や走法から、馬場不問で狙える点も魅力です」

 吉田記者ももう1頭、気になる馬がいると言う。

「武豊騎手が騎乗予定のミズリーナ(牝3歳)です。グランプリボス産駒らしく、パーツ、パーツがしっかりとシルエットに出ていて、馬体の柔らかみも十分。ストライドが大きくて、追って味のあるタイプと言えるでしょう。

 前走の1勝クラス(2月23日/京都・芝1400m)は、好スタートから好位置につけて手応えもよかったのですが、6着。終始、荒れ馬場の内ラチ沿いを回ったことが、手応えほど伸びなかった要因でしょう。

 しかし今回、スピード持続力が生きる舞台に変わるのは、同馬の柔軟性を踏まえても、間違いなくプラス。稽古の雰囲気もよく、楽しみです」 2歳女王のレシステンシアがチューリップ賞で3着に敗れ、3歳牝馬戦線は戦国ムードが強まっている。そんななか、フィリーズレビューから新たなクラシック候補が登場するのか。ここに挙げた4頭も、その可能性は秘めている。