ヴイエムウェアは3月10日、仮想マシンベースとコンテナベースのアプリケーションの双方をサポートするハイブリッドクラウド・プラットフォーム「VMware Cloud Foundation 4 with Tanzu」(以下、VCF 4)を発表した。

これまで、同社は「VMware Cloud Foundation」を「統合SDDC(SDDC. Software Defined Datacenter)プラットフォーム」と定義していたが、「VCF 4」は、Kubernetesを意識したAPIサービスを内蔵するなど、コンテナへの対応が拡大している。例えば、「Tanzu Kubernetes Grid」とVMware vSphere 7を用いて開発者の生産性向上に貢献するサービス「VMware Cloud Foundation Services」が利用できる。

チーフストラテジストの高橋洋介氏は、「VCF 4」の新機能として、「KubernetesとRESTful API経由でのアクセスが可能になったこと」を挙げた。また、サーバ、ストレージ、ネットワークの3Tierの価格を比較すると、28%安価であるなど、TCOの安さも「VCF 4」のメリットと説明した。

「VCF 4」には、「VMware vSphere 7」「VMware vSAN 7」「VMware vRealize 8.1」が含まれる。いずれも最新版だ。

「VMware Cloud Foundation 4 with Tanzu」の概要

「VMware vSphere 7」の最大の特徴は、Kubernetesを用いて再設計されている点だ。コンテナおよび仮想マシンのいずれをベースとするワークロードでも実行可能なように最適化されている。

今回、vSphereにKubernetesを統合するプロジェクト「Project Pacific」が「vSphere 7 with Kubernetes」としてリブランドしてリリースされた。「vSphere 7 with Kubernetes」は仮想マシンとKubernetes環境を単一の基盤上で同時に稼働させることができ、コンテナホストのOSや仮想マシンを介さずに、ネイティブなコンテナやPodをESXi上で直接実行することを可能にする。

「vSphere 7 with Kubernetes」は開発者と運用管理者の双方にメリットをもたらす。開発者は、 Kubernetes/RESTful APIを経由して、コンテナワークロード向け機能の払い出し・設定・管理が行える。運用管理者は、 RBACベースのアクセス制御が行えるほか、開発者ごとにリソースを割り当てて一元管理が可能だ。

Kubernetesのランタイム「Tanzu Kubernetes Grid」は、vSphere 7 with Kubernetesに組み込まれる形でVMware Cloud Foundation 4の一部を成しており、Kubernetesクラスタをサービスとして開発者に提供する。

「vSphere 7 with Kubernetes」の仕組み

そのほか、vSphere 7の新機能に、VMware vSphere Update Managerが進化して「vSphere Lifecycle Manager」がある。Lifecycle Managerは、 高橋氏によると、 Update Managerではできなかったホストのハードウェアのアップデートが行えるという。理想の状態をベースとしたパッチ適用、アップグレード、 構成更新を実施できるとともに、ヴイエムウェアが提供している互換性ガイドと連動した推奨エンジンによる安全かつ確実なアップグレードを実現する。

さらに、新機能の「vSphere Trust Authority」は、リモートの鍵管理システムと連携したハードウェアベースのリモート認証を提供する。ワークロードとは切り離されたホストを用いるため、インフラの信頼性が確保されるという。

同様に新機能である「Identity Federation」は、vSphereの認証の効率化を実現するもので、エンタープライズIDプロバイダー(IdP)を用いた標準仕様のフェデレーション認証を行う。初期リリースとしてActive Directory Federation Service(ADFS)をサポートする。

「vSphere Identity Federation」の仕組み

VMware Cloud Foundation 4、VMware vSphere 7、VMware vSAN 7、VMware vRealize Automation 8.1、VMware vRealize Operations 8.1(オンプレミスおよびSaaS)は、2020年5月1日(VMwareの2021年度第1四半期末)までに提供開始される予定。

VMware vSphere 7は2つのコンフィグレーションの提供が予定されている。1つはvSphere with Kubernetesで、VMware Cloud Foundation 4 with Tanzuの一部として提供される。もう1つは、VMware vSphere Standard Editionなど複数のエディションからなるVMベースのアプリケーション向けのコンフィグレーションとなる。