メディアエージェンシーのようなクライアント向けのビジネスで勤務しながら、自分のメンタルヘルスも管理することは、まるで不可能に思われることもある。

従業員たちがリラックスして休息できるようなポリシーをエージェンシーたちが持っていたとしても、クライアントのニーズが第一に優先されるのが一般的だ。

カリフォルニア州パームスプリングスで開催された米DIGIDAYのメディア・バイイング・サミット(Media Buying Summit)では、クライアントのニーズに対応しながらも、社員たちに対しても最善を尽くすうえで直面する苦労について、メディア・バイヤーたちは議論した。

エージェンシーたちはワーク・ライフ・バランスについて、クライアントに話をしている

「我々のオフィスのひとつでは、働きすぎて動脈瘤が起きてしまった社員がいる。そのことは、我々の社員だけではなく、クライアントに対しても仕事の時間を減らすための気づきを与えてくれた」

「幹部たちから、週末はSlack(スラック)やeメールに反応しないように促されてきた。何かが5000%を超えるような支出を見せている場合は除いて、だが。クライアントもそれを感じ取った。週末に反応しなければ、彼らもそれに慣れる」

「eメール? (週末に)テキストメッセージ(を送るのを止めるようクライアントへ言うこと)はできる?」

休暇ポリシーの改善

「我々はフレキシブルな休暇ポリシーを持っている。人々に有給を取らせることが課題だ。我々は、社員それぞれが必要な時に取得するだろうと、大人として扱おうとしている。しかし最近になって、ひとりの社員に1カ月有給を取るようにプッシュする必要があった」

「我々のエージェンシーでは、メンタルヘルス、もしくはデトックスのための特別な日を設定して、その日はデバイスを使わずに済むことになっている。有給休暇ポリシーもその量を増やした。我々が確認している問題は、一定以上のレベルになると、その仕事の重みがマネージャーたちにかかることだ。それより下のレベルの社員であれば有給休暇を楽しんでもらうことはできる。しかし、ディレクターやバイスプレジデントとなると、それほど簡単に休むことが出来ないため、バランスのズレが起きている」

「我々はフレキシブルな休暇(と勤務時間)ポリシーを持っている。オフィスに8時に出勤して4時に出ることもできれば、10時に出社して7時に終わることもできる。これが実施されてからひとつも問題は起きていない。マンハッタンで見つかるような人材が我々の場所では見つからないため(このポリシーを施行する必要があった)」

「働けるスタッフの数が多いことも(休暇を与える際に)助けになる。我々はエントリーレベルの人をたくさん雇う。メディア業界ではたくさん、単純作業がある」

測定はまだ問題

「マルチタッチアトリビューションができることに関しては、多くの希望が持たれている。私の想像の範囲ですら、リアルタイムのアトリビューションがもたらす価値が何かは見えない。計測結果から、どんなアクションにつなげられるかが重要なのだ。私はいつもFacebookの例に戻る。アクションにどれだけつなげられるかは、いつも未定だ」

「データがさまざまなソースにおいて存在しているときに困難さがあると確認している。どこにあるのか、そのデータを誰が所有しているのかについて混乱が生じる。クライアントたちはデータを理解するための助けが欲しくて我々に頼っている。(それはおそらく)データが何を伝えているのかを理解する人材を(持っていないからだろう)」

「データとアナリティクスの分野では人材不足が本当に存在している。雇われる側にとって有利なマーケットとなっている。データ関連のスタッフに対するニーズが、クライアント側や、エージェンシーと、すべての業界で大きく存在している。業界のほかの存在に対して、データに対する精通度や知識が必要であることのプレッシャーを与える」

「測定チームを雇うコストが、いま、局面を変えつつある」

「ブランディングとリーチベースのプランニングをはじめるとすぐに、チャンネルパフォーマンスを測定することがあまり出来なくなる。アナリティクスをどう捉えるか、背景に潜む点と点をどう結ぶかについて(いまも考えている最中だ)」

さらに伸ばされる支払いまでの時期

「状況は悪化している。クライアントたちは我々の財務を一時停止してくる。それが契約の可否を決めるほど重要なレベルにまで達している。RFP(提案依頼書)やスキルや能力査定へ到達する前に、条件に同意しなくてはいけない。我々のクライアントのプロキュアメント部門の影響力が大きくなっていることによる。120日なんていう(支払い)長さも見たことがある。それよりも大きい数字も見たことがあるが、我々は検討しない。90日以上は検討しない」

Kristina Monllos(原文 / 訳:塚本 紺)