第1節を終えた段階で中断しているJリーグ。しかしこの開幕戦には、今季を占う上で貴重な情報が詰まっていた。こちらのシーズン前の予想より、よさそうだったチームもあれば、その反対に映ったチームもあった。問題箇所が目に止まったチームもあった。今回はそのちょっとしたギャップに目を向けていきたい。

 以下は開幕前、あるメディアに筆者が記した今季の予想順位だ。

1)FC東京、2)横浜FM、3)神戸、4)川崎、5)鹿島、6)C大阪、7)G大阪、8)広島、9)柏、10)仙台、11)札幌、12)名古屋、13)浦和、14)大分、15)清水、16)鳥栖、17)湘南、18)横浜FC

 自信があるようなないような状態だが、第1週を終えたいま、順位を大きく変えたくなるチームはない。他の予想と特段、大きな差があるわけでもない。以下は、これを一般的な予想(英国ブックメーカー、ウィリアムヒル社の予想)と比べれば、大きく違う点は神戸の扱いぐらいになる。

1)横浜FM、2)FC東京、3)川崎、4)鹿島、5)C大阪、6)G大阪、7)広島、8)柏、9)神戸、10)浦和、11)名古屋、12)札幌、13)仙台、14)鳥栖、15)大分、16)清水、17)横浜FC、18)湘南

 その神戸は昇格組の横浜FC(こちらが最下位に予想したチーム)と対戦し1-1で引き分けた。ACLとの兼ね合いでローテーション性を敷いた神戸に対し、横浜FCが健闘した試合だった。浦和に2-3で敗れた湘南よりサッカーそのものに可能性を感じた。残留争いでは横浜FCの方が優位に立つのではないか。そんな気がした。

 神戸は可もなく不可もなく、だ。このチームの予想が他の一般的予想より高くなった理由は、昨季終盤の戦い方が安定していたことだ。終わり方がよかった点に加えて、Jリーグナンバーワンストライカー、ドウグラスを清水から獲得したことにある。選手層は厚いとは言えないので優勝には届かないだろうが、昨季(8位)の成績は大きく超えると考える。

 優勝争いを演じるのは、横浜FMとFC東京だろう。昨季優勝の横浜FMを2位とした理由は、補強が最小限に止まったこと。アダイウトン、レアンドロを磐田、鹿島から補強し、ディエゴ・オリベイラと3FWを形成することになったFC東京の方が、プラスアルファが見込めると見たからだ。

 横浜FMは新加入の選手にスタメンを獲得するほどの大物選手は見当たらず、昨季と顔ぶれに大きな変化がなく、昨季後半、左ウイングとして活躍した左利きの左ウイング、マテウスが名古屋に移籍してしまったことがマイナス材料に見える。U-22にも選ばれることが多い遠藤渓太だが、この選手は右利きの左ウイングだ。縦抜けを狙う動きより真ん中に切れ込む頻度が高い。右から仲川輝人が仕掛けるサイド攻撃より、幅と深さがとりにくいので、左からの攻撃には手詰まり感を抱かせる。

 遠藤が縦突破という武器をどれほど身につけるか。横浜FMの浮沈のカギはここにあると見る。対するFC東京は、3方向(左右真ん中)から均等に攻撃ができている。3トップに外国人を並べるそのサッカーは、迫力にも満ちている。

 開幕戦の清水戦はその真髄が発揮された一戦だった。1-0と清水リードで迎えた後半10分、アダイウトンが投入され3人が前線に並ぶと、それまで清水ペースで推移していた流れは一転。FC東京は立て続けに3ゴールを奪い逆転に成功した。

 筆者はこのFC東京を優勝候補の筆頭に挙げている。開幕戦でG大阪に惜敗した横浜FMとは明暗が分かれた格好だ。こちらの予想が少なからず反映されたスタートのようにも見えるが、実際は少々複雑だ。

 横浜FMが、敗れたけれど内容的にはそれほど悪くなかったのに対し、FC東京は外国人選手の活躍で逆転勝利を収めたものの、サッカーそのものは決してよくなかった。まさに「3人にお任せ!」的なサッカーに陥っていた。