G大阪の指揮を執る宮本監督。開幕戦を勝利で飾ったものの、リーグ再開へさらなるチーム力の強化を目指す。(C) SOCCER DIGEST

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 終息するのか、拡大するのか。世界規模で猛威を振るう新型コロナウイルスに対し、クラブができることは数少ない。J1リーグ通算出場新記録樹立が先延ばしになったMF遠藤保仁は「再開が延びる可能性もある」と複雑な表情を浮かべつつ「だからといって練習もしなければならない」。今は設定されている18日のリーグ再開を信じて、準備を進めるのみ。G大阪も大分戦から“逆算”して、チームのブラッシュアップをしていくつもりだ。

 3日間のオフを挟み、2月26日から練習を再開。リーグ再開予定日からちょうど2週間前に当たる4日、そして1週間前の11日に練習試合を実施する(対戦相手やスコアは未発表か)。もちろん、狙いは試合へのリズムや感覚を失わないため。ただ同時に改善ポイントにも着手する構えだ。

 2月23日のリーグ開幕・横浜F・マリノス戦は沖縄キャンプ中から取り組んできたハイプレスが奏功した側面もあって2-1で勝利。だが宮本恒靖監督は「(横浜戦では)去年できてきた部分を忘れているところがあった」と手放しで喜んではいない。目指すべき姿は昨シーズン終盤の松本山雅FC戦やベガルタ仙台戦で見せたような3、4人が絡む厚みのある攻撃。ボールを保持して崩す形だ。「そこを思い出させたい。絶対に必要な部分だと思っている」(宮本監督)。5年ぶりのタイトル獲得を明確な目標に掲げる以上、相手に合わせるのではなく、自分たちのストロングポイント確立はマストである。

「勢いに乗りたかったチームにとっては痛いけど、俺らケガ人にとっては(中断は)前向きに捉えたい」と元日本代表DF昌子源が話すように、しっかりと復帰する時間が作られたことも不幸中の幸いだ。右足首痛で移籍加入日から別メニュー調整が続いていた昌子は2月25日の練習から部分合流。そして2月29日、宮本監督は「もうすぐ全体練習に合流できると思う」と明るい見通しを語った。

 当初のスケジュールでは3月末の国際Aマッチウイークまでは公式戦5試合が予定されており、その間に練習試合を組む余裕はなかった。そのため昌子はぶっつけ本番になる可能性もあったが、練習試合でコンディションや連係面を確認することができるのはプラス材料だ。大きなリバウンドがなければ11日の練習試合が“Jリーグ復帰戦”になる可能性もある。またFW小野裕二やDF菅沼駿哉、DF高尾瑠、MF山本悠樹ら故障を抱える選手たちもリーグ中断期間内に復帰する予定だ。

 先行き不透明な状況下でも、前を向くしかない。今はスタジアムに歓声が戻ってくる日を信じて、静かに牙を研ぐ。

取材・文●飯間 健