資格停止処分が下った孫楊【写真:Getty Images】

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ドーピング違反で8年間の資格停止処分、弁護士が「CASは偏見を聞き入れた」と主張

 競泳男子の五輪金メダリストの孫楊(中国)は先月28日、スポーツ仲裁裁判所(CAS)からドーピング違反で8年間の資格停止処分を科された。裁定に対し、孫の弁護士は「悪魔が正義を負かした」と怒りの声明を発表しているようだ。

 孫は2014年11月、中国で行われた大会後のドーピング検査で陽性反応を示していた。その後、18年9月に行われたドーピング検査で血液サンプルを破壊した疑いで、世界反ドーピング機関(WADA)がCASに提訴していた。今年2月28日にCASが8年間の資格停止処分を科すと、孫はすぐさま自身のSNSで反発。スイス連邦最高裁判所に提訴する意向を明らかにしていた。

 ヤフースポーツ豪州版は「『悪魔が正義を負かす』孫楊の弁護士が声明を出す」とのタイトルで記事を掲載。「弁護士が烈火のごとく怒った声明を発表。競泳から違法な処分を受けたと信じ、それに対して戦うと誓った孫楊に賭けた」と裁定を受け入れる姿勢が全くないことを伝えている。

 同メディアによると、弁護士を務める張起淮の声明は「2020年2月28日は暗黒の日となった。悪魔が正義を打ち負かし、権力が明白な事実に、取って代わる光景が繰り広げられた」「この日、CASは偏見を聞き入れ、ルールと手順、真実と証拠に見てみぬふりをし、嘘と偽の証拠を受け入れた」との内容で、怒りの大きさが感じられるものだという。泥沼化の様相を呈しているこの問題、果たしてどのように決着するのだろうか。(THE ANSWER編集部)