今季からキャプテンを務める三門雄大(中央)。写真:松澤明美

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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けてJリーグは、2月28日から3月15日までの公式戦94試合の開催延期を発表した。

 大宮アルディージャは2月29日のホーム開幕だった徳島ヴォルティス戦、3月7日のジュビロ磐田戦、3月14日のV・ファーレン長崎戦が延期し、3月18日のモンテディオ山形戦が再開試合の予定となっている。高木琢也監督は「そこに向けて逆算した形で調整しようと思う」と切り替え、情勢次第では延期試合が増える可能性も念頭に入れ、選手へ「柔軟に対応していくしかないと話した」と心構えを説いた。

 東日本大震災の中断も経験したキャプテンの三門雄大は「日々、練習していくことは変わらない」と冷静に受け止めた。水曜日開催となる山形戦を想定しながら練習が組まれ、「勝つために、目標を達成するためにやっているが、原点はサッカーがうまくなっていきたいとか、もっとこういうプレーができるようになりたいと練習している。それを追い求めていったら自然といい準備をして、伸びたりするかもしれない」と話す。
 
 開幕の水戸ホーリーホック戦は2−1で勝ったものの、相手ペースの時間が多かった。高木監督は「もっとやりたいこともあったし、自分たちがやっていることがうまく出せなかった」と反省の弁。昨季は15引き分けが「昇格できなかった一つのポイント」(高木監督)だっただけに、今季は勝ち切るため“ゲームコントロール”を掲げてボール支配率向上に取り組んできた。水戸戦は出し切れたとは言えず、中断期間中もトライを続けていく。

 水戸戦で決勝ゴールを挙げた富山貴光は「2週間と少し、濃い時間になるように、チームも強くなるように、個人でもレベルアップできるように、やっていきたい」と気持ちを新たにする。「再開したときにいいゲームをして、勝ち点3を取れるように」と“2連勝”へ白星発進の勢いを持続させ、さらなるパワーアップを目指す。前線からのプレッシャーの判断や強度、つなぎとカウンターの見極めなども課題としていた。
 
 新加入の外国籍3選手にとっても、この期間は有効に使えそうだ。元ボスニア・ヘルツェゴビナ代表FWで昨季セルビアリーグ得点王のネルミン・ハスキッチ、ラトビア現役代表DFのヴィターリス・マクシメンコ、セルビア人GKのフィリップ・クリャイッチは、それぞれJ初挑戦。ハスキッチは他の2人より一足先に水戸戦でJデビューしたが途中交代。各々の成熟度を高める良い機会なのは間違いない。

 チーム内競争も一からのスタートとなる。水戸戦でメンバー入りしたユース昇格組のルーキー郄田颯也は言う。「自分は試合に出ていない。まだ、信頼がある訳じゃないと思うので、この約3週間でしっかりアピールしなくちゃすぐに外される。ギリギリの争いだと思うので、中断期間は練習からアピールして、練習試合でも結果を出して、また、メンバーに入れてもらって、次は出場できたらいい」。

 未曾有の出来事で心配は尽きないものの、そういった状況でもいかに集中できるか。 “J1昇格、J2優勝“。3年連続の目標を今季こそ達成するために、ますます力をつける時間となるはずだ。

取材・文●松澤明美(フリーライター)