黒星スタートに悔しさを滲ませる喜田(中央)だが、今回の中断期間で「チームを良い方向に変えていきたい」と言葉に力をこめる。写真:徳原隆元

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 最後尾からのビルドアップを狙われて失点。ハイラインの背後を突かれて、さらに2失点目を献上。2月23日、自分たちの強みを逆手に取られた形で、横浜F・マリノスはガンバ大阪との開幕戦を1-2で落とした。

 自慢の『アタッキング・フットボール』が分析され、対策を練られた敗戦。周到な準備をしたG大阪の戦略勝ち。そうした見方が一般的だろう。横浜のキャプテン、喜田拓也もそれは承知している。「F・マリノス、大丈夫ですかとか、チャンピオンチームに対して相手はこうして策を講じて、時間をかけて倒しにくるから難しいですねとか」心配されることも分かっている。

 だが、喜田はきっぱりと言う。「自分たちにとって、負けた原因は別にそこじゃなかったので」と。

 当然ながら、「悔しい負け方」だったのは事実だ。「うちの弱点について、こういうやり方を徹底しよう、というのはあったと思う。そういうガンバの戦い方について、対戦相手としてリスペクトはあります」と認めてもいるが、ビルドアップやハイラインを狙われるのは、なにもこれが初めてではない。驚きもなければ、“してやられた”という感覚もない。

 むしろ、自分たちの弱点を狙ってくる相手に何度も勝ってきたという自負がある。G大阪戦では、それができなかった。そこは反省点であり、「そうやって戦ってくる相手に対し、どう対処していくか。そこはさらにレベルアップさせなければいけない」と気を引き締める喜田は、G大阪戦の敗因がどこにあるかを十二分に理解している。

 相手どうこうではない。対策されるのも、弱みを突いてくるのも、百も承知。問題は、そういう相手に対して自分たちがいかに戦うか。「いつも答えは、自分たちの中にある」。
 
 その自分たちを、改めて見つめ直す時間ができた。新型コロナウイルス感染拡大の防止策として、リーグが一時中断。世界的な問題にもなっているこうした情勢を喜田自身、もちろん歓迎しているわけではない。事態の早期収束をなによりも最優先に願っている一方で、連覇がかかるシーズンで黒星発進となった現状を踏まえ、今回の予期せぬ中断期間を意味のある時間にしなければならないと考えているようだ。

「今年一年を通して、楽じゃないよって、(開幕戦で)突きつけられたとは思う。中断期間の入りは、そういう悔しい入り方だったので、みんなも練習から、もっと上げていかなければいけない、もっとやらなければいけないって。それができると思っています」

――開幕戦で負けたのは痛かったけど、逆にここからの反発力が楽しみでもある。

 そう喜田に投げかけると、「僕らも楽しみですよ」と応じて、次のように続ける。

「このサッカー、このチームに悲観しているわけではないし、ここからまた這い上がっていかなければいけないんで。そういう意味では、うん、楽しみですね。チームを良い方向に変えていかなければいけないし、それができるチームだと思っているので」

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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