「アマゾンはマスクなどの“便乗値上げ”に対抗し、すでに100万点もの商品を削除している」の写真・リンク付きの記事はこちら

アマゾンが、新型コロナウイルス感染症「COVID-19」に関連する商品の販売について、同社のポリシーに違反している出品者の取り締まりを強化している。

これまでにも『WIRED』は、アマゾンで便乗値上げと誤解を生むような宣伝が横行している事実を報じてきた。その後アマゾンは、新型コロナウイルスに対する防御や治癒といった虚偽の効果を謳った100万以上もの商品と、マスクなどの大幅な高値で出品されている商品を削除したりブロックしたりする措置をとったことを認めた。この措置の規模については、ロイターが2月27日(米国時間)に最初に報じている。

「アマゾンは商品詳細ページに正確な情報を載せるよう常に出品者に求めており、このポリシーに違反する商品は削除しています」と、アマゾンの広報担当者は語っている。アマゾンの出品者はまた、アマゾン内外での価格よりも「著しく高い」価格を設定することを禁じた同社の「適正な価格設定に関するポリシー」を遵守することが求められている。

トランプ大統領も便乗を「断固として調査」

新型コロナウイルスのアウトブレイク(集団感染)に関する不安が米国で高まるなか、『WIRED』はアマゾンの出品者のなかにマスクをわずか数週間前の価格の4倍から5倍に吊り上げた人々がいることを報じた。出品者はまた、ときには数百ドルにも及ぶ法外な配送料を上乗せすることによって利益を上げようとしてきたが、これもまたアマゾンの規則に違反している。

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この高値は世間に注目されることになった。ドナルド・トランプ大統領は2月26日(米国時間)、新型コロナウイルスに関する記者会見での質問に答えるかたちで、医療用品の便乗値上げを「断固として調査」すると語った。イタリアの当局もネット上の「常軌を逸した」商品価格を調査中だと発表している。米国商事改善協会もアラートを発表し、偽造マスク及び虚偽の“奇跡的治癒効果”に関して消費者に警告した。

アマゾンとの関係を損ねたくないという理由で匿名を希望したあるマスクの出品者は、アマゾンの取り組みは場当たり的だと『WIRED』US版の取材に語っている。その出品者によると、特定の商品の最低価格に設定していても削除されることがあるという。

「何らかの恣意的なラインより下まで価格を落とせる場合もあり、そうすれば再び掲載してもらえます」と、出品者は言う。この出品者の主張についてアマゾンからコメントは得られていない。かねて出品者とメーカーは、アマゾンはその膨大なマーケットプレイスを効果的に制御できていないと批判してきた。

建設や生産の現場でもマスク不足に

米国内で新型コロナウイルスの感染症になる危険性は、依然として低いとされている。だが、米疾病管理予防センター(CDC)は今週はじめ、米国における大規模なアウトブレイクの可能性に備えるよう国民に警告した。

その結果、多くの国民がマスクや手の消毒液、保存の利く食料といった物品を買いだめしている。だが専門家によると、適切な手洗いや自分の顔を触らないといったシンプルな対策のほうが、マスクの着用するよりも新型コロナウイルスの拡散を防ぐ上で重要な場合が多いという。

マスクをため込むことは、本当に必要としている人々がいる場所でのマスク不足を助長することになりかねない。病院がその一例だが、建設や生産現場といったコロナウイルスのあらゆるニュースで報じられることのない職業もまた、これに相当する。

「研磨作業、そして石膏ボードや乾式壁の塵からわたしたちを守ってくれる安全製品の在庫が完全に底をついており、請負業者や作業員全員がシリコンや鉛塗料の塵のような粒子を吸い込む差し迫った現実的な危険に晒されています」と、テキサス州オースティンの建設業界で働くドン・シェパードは言う。

少なくとも医療従事者は、連邦政府から支援を受けるべきだろう。トランプ大統領は議会に新型コロナウイルス対策として25億ドルを求めており、そのうちある程度はマスクをはじめとする防護器具の備蓄に費やされることになるはずだ。

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