日本でも女性の社会進出が叫ばれて久しい昨今ですが、妊娠や出産、子育てと仕事の両立に奮闘する女性たちを悩ませるのが、職場における「マタニティ・ハラスメント」問題。

果たして今の日本で、ママたちにとって働く環境は改善されているのか…? そう疑問に思ったコスモポリタン編集部では、今回、実際に妊娠&育児と並行して働くママたちにアンケート調査を実施。

その調査の結果、実に6割を超えるママたちから「マタニティ・ハラスメントを受けた経験がある」との回答が!

ここではその具体的なエピソードの一部と、ママたちの目線から見た職場環境の改善方法について紹介していきたいと思います。

※以下、( )内はペンネーム。

私の「マタハラ体験談」

「時短だからと言って、肌感でお給料が1/3カットくらいになって、初任給を下回ったことがあります。(その後交渉して、できる限り産休前のレベルに近い額に戻してもらいました)。また、自分の結婚式ではありませんが、役員が結婚式で『子供ができたら大変(戦力として重視していると言いたかったのだと思う)』とか、『子供はタイミングを見て作っていただいて…』というようなことを祝辞で言っていてドン引きしました」(yuuuuuさん/30歳)

「(妊娠を報告したとき)困った顔をされるだけで、誰もおめでとうと言ってくれませんでした。迷惑なんだ…というのが伝わりすぎて、どんなにしんどくても休めなかったです。“命”と“嫌味”は本来、比較するものではないはずなのに…。 あと、ハラスメントと言えるかわかりませんが、出産後に会社から出産祝い金をいただきました。でも、どういう規定なのか、金額は3,750円でした。小銭が入っていること自体、意味がわかりません。むしろ0円でよかった」(やまさん/39歳)

「妊娠5カ月で、体調不良により休職しました。急な休職だったので、仕事の埋め合わせを会社が対応してくれたのですが、その後、上司から迷惑だったと遠回しに言われました」(ろぽさん/31歳)

「勤務時間を時短勤務から通常勤務に変更した際に、普段は関わることが少ない上司から、『これでやっと、ちゃんとした社員として働くんだね〜』と軽い口調で言われたことがありました。もちろん時短勤務中も手を抜かず、時短だからこそより効率的に仕事をしていかなきゃ…と努力してきたので、私の仕事内容すら詳しく知らない人にそういう言い方をされ、ショックというか、なんだかとても複雑な気持ちになりました。あと、出産後の体重増加で体型についてもストレートに『太ったよね?』などと言ってくる男性社員もおり、自分でも気にしていることだったのでとても傷ついたし、何よりも『仕事と関係ないんだから放っておいてくれ!』という気持ちになりました」(ペンさん/29歳)

「忙しい時期に産休に入ったので、ある先輩からずっと無視されていました。産休後もずっと無視されました。それに耐えられず人事に相談したら、『無視くらい皆経験している』と言われて、ただただ耐えるのみでした」(ゆきさん/39歳)

どうすれば、ママたちがもっと働きやすい環境になる?

「みんな立場はそれぞれだから、会社的に取り組んだとしても、とても時間がかかる問題。人によって妊娠による負担も違うので、ほぼ変わらずに働ける人もいれば、そうじゃない人もいる。つまり、上司の裁量が大きいと思います」(じゃいこさん/38歳)

「ママが活躍できる場を増やし、ママで管理職などのモデルケースを増やすこと。時短でもやることをやれば評価される風潮を作ると良いと思います(※ちなみに今の職場は、ママ管理職が結構います。評価も平等ですし、誰がどのグレードか全員に公開されているので、不本意な減給はありません)」(yuuuuuさん/30歳)

「時差通勤などの選択肢があったら良かったなと思います。(つわりなどで)通勤の満員電車がとにかく辛かったので。在宅で出来る仕事を貰えたりしたら助かったかも」(りんりんママさん/30歳)

「明確な会社の制度の設定(産休、時短勤務、在宅勤務)と、その制度の周知を徹底する。また、制度は活用しないと定着しないので、マネジメント側が必ず取るものとして認識し、実際に取らせる。ただ、子育て用に制度を活用する側も、当たり前とせずに最低限の気配りは必要。それでうまく成り立つと思います」(ykさん/38歳)

「男性の育児参加による出産自体への理解向上。女性がパート・時短・在宅などの勤務形態でも、それぞれ即戦力として貢献するための柔軟なチーム形成とタスク管理。マタニティ・ハラスメントを受けたら、社長に直接通告できるホットラインの設置。あと、マタニティ・ハラスメントをすると業務評価に影響するような制度を作ると良いと思います」(ジュニーさん/39歳)

「“働くママ”という人物像を色々なイメージや事例などにあてはめて『もうママになってるし、きっとこうだろう』などと判断せず、まずはその人個人の考え方や行動、向き合い方をしっかり見た上で、色々な判断をしてくれるような人が増えていけば、マタニティ・ハラスメントも少なくなると思います」(ペンさん、29歳)

まとめ

未だに6割以上の女性がマタニティ・ハラスメントを経験しているというのは残念な結果でしたが、一方、ママになったからこそ見えた社会的改善点も多いようです。

働くママたちも、これから生まれてくる子供たちも、この世界にとってとても大切な存在。

マネジメント職に就いている人はもちろん、社会で働く人すべてが、彼女たちの意見からヒントを得つつ、より働きやすい環境作りに尽力していきたいですね。