私たちが何気なく飲んでいるみそ汁も、大豆から作られていることから、免疫力を上げる作用がある。みそに含まれる乳酸菌やオリゴ糖、色素成分のメラノイジン、具材からとれる食物繊維など、腸内環境を整えてくれる成分もたっぷり含まれている。

 また、健康のことを考えると間食は控えるべきだが、どうしても何か食べたいときはアーモンドがお勧めだ。ビタミンEの含有量が飛び抜けて多く、強い抗酸化作用によって免疫力を低下させる活性酸素を取り除いてくれる。さらに、満腹感を得やすい食物繊維も豊富なので、腸内環境を整えて便通をよくしてくれる。

 他にも、善玉菌を増やして腸内環境を整えるヨーグルト、ポリフェノールの抗酸化作用が細胞の老化を抑制するカカオ含有量70%以上の高カカオチョコレート、不足しがちな野菜が気軽にとれる野菜チップスなどが免疫力を高めてくれる。

★刺激物でデトックス

「辛い」「酸っぱい」「苦い」といった味は、好き嫌いが分かれるところだが、こうした刺激のある食べ物には、体にとってよいデトックス効果がある。

「辛いもの、酸っぱいもの、苦いものといった“刺激物”を食べると、体は『嫌なもの』が入ったように感じ、排出しようとします。その結果、胃腸の働きが活発になり、副交感神経が優位になって、体の緊張が緩まります。そうなると体がリラックスし、免疫力のアップにつながります。ただし、食べすぎは胃腸に悪いので、食べる時は、ほどほどを心がけましょう」(石原先生)

◉食べると免疫力が上がる合言葉
ま:豆類
ご:ごま
わ:わかめ(海藻類)
や:野菜
さ:魚
し:しいたけ(きのこ類)
い:いも類

◉石原新菜先生推奨!
 免疫力アップの10の食材
*ブロッコリー
抗酸化作用があるビタミンA・C・Eをすべて含み、活性酸素を除去する力がある。特にビタミンCは白血球の働きを活性化させる。
*しょうが
ポリフェノールの一種であるジンゲロールには、強い抗酸化作用がある。体を内部から温める効果があり、冷えを防いで免疫力を高める。
*キャベツ
抗酸化作用を有するビタミンCが豊富。ビタミンUには胃粘膜の修復をサポートする効果があるので、新陳代謝を上げて免疫力を上げる。
*にんにく
におい成分であるアリシンなどの硫黄化合物には、強い抗酸化作用がある。疲労回復や免疫力をアップさせる。
*ねぎ
疲労回復効果があるアリシンを含み、抗酸化作用がある。ビタミンCやβカロテンも豊富で、風邪対策にもなる。
*玉ねぎ
血液をサラサラにする硫化アリルが豊富。強い抗酸化作用を有するケラセチンの含有量は、野菜の中で特に多い。
*大豆製品
大豆の良質なたんぱく質は免疫細胞の材料で、血液中のコレステロールを下げる。動脈硬化の予防にも役立つ。
*鮭
抗酸化成分のアスタキサンチンを含み、活性酸素を除去して免疫力をアップさせる。動脈硬化の予防効果もある。
*エビ
アスタキサンチンと細胞の酸化を防ぐビタミンEを含む。殻には免疫機能を高めるキチン質も含むので、捨てるのはもったいない。
*スパイス
ターメリックのクルクミンや唐辛子のカプサイシンといった成分には、強力な抗酸化作用や体を温める効果を持つ。

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監修/石原新菜先生
イシハラクリニック副院長。ヒポクラティック・サナトリウム副施設長。1980年長崎県生まれ。2006年帝京大学医学部卒業。現在は父・石原結實氏のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法による治療にあたる。テレビ、講演、執筆などでも活躍中。