開幕の山形戦で2ゴールを挙げた小川航。守備面でも献身性を発揮した。(C) J.LEAGUE PHOTOS

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 ホームに山形を迎えた開幕戦、磐田は前半に小川航基が2得点を挙げ、後半の相手の反撃も凌いで完封勝利を飾った。

 加入7年目で初の開幕戦先発を果たした右サイドバックの小川大貴は、「J2の他のチームがこれからどういう目で僕たちを見てくるかが決まるという意味でも、絶対に勝たなければいけない試合だった」と、白星スタートに安堵の表情。チームメイトから「心臓」と信頼され、攻守に闘志みなぎるプレーを見せ存在感を示したボランチの山本康裕も「初戦はすごく大事な戦いだと意識していたし、J2は自分自身初めてなので、相手のレベルや展開を探りながらプレーしたけど、前半から試合に入れたし、みんな頼もしかった。これからも全力で相手を倒しに行くという気持ちを統一していきたい」と試合を振り返り、長い戦いを見据えた。

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 試合は前半、磐田のペースで進んだ。その中で、水戸から復帰した新9番が早速結果を出し、チームを勢いづける活躍を見せたことは、今後に向けての好材料のひとつだ。

 先制は13分。宮崎のロングフィードを受けた山本が右足を振り抜くと、渾身のシュートはGKの手を弾いてゴール前へ。しっかり詰めていた小川航がゴールに押し込んだ。「『この1年で人生が変わった』と言えるくらいの大活躍をしたい。チームとして飛躍したいし、自分が毎試合2点ぐらいとる働きをしないといけないと思っている」と、今シーズンへの並々ならぬ意欲を語るエースストライカーは、さらに35分、松本昌也のCKを高い打点のヘッドで捉え、思惑通りの2得点。勝利を引き寄せた。

 小川航が開幕前から意識してきていることのひとつが、2トップを組むルキアンと動きやプレーが重ならないようにすること。監督からはとくに「横並びで待つことがないように」と常々要求されている。

「僕もルキアンもひとつ下がって身体を張って(ボールを)受けられる。練習試合で最初に組んだ時と比べると、そこは間違いなく良くなっていると感じた。もっと上げていきたいし、ふたりで崩す場面もつくっていきたい」とリーグの実戦で、手応えを得たようだ。

「チームのために走り、考えること」も、小川航が自身のレベルアップのために、今季強く胸に秘めていることだ。

「分かっていることだけど、それを実際にピッチ上のプレーで表わすのは難しいことだった。でも、それが自分自身のパフォーマンスの向上につながるということを、水戸や(五輪)代表に行って改めて確信できた」と言う。

 そうした献身の意識が如実に表われていたのが、前線での守備。「試合で得点の次に大事にしているのは、守備や周りを助ける動き。ひとりでもサボる選手がいると勝てないから、そんな時も100%やっていく」という言葉通り、ルキアンとともに足を止めず、プレスをかけ続けた。
 
 2トップだけではなく、中盤、前線の選手たちの攻から守への切り替えの速さ、ボールを奪い返しにいくアグレッシブさは、開幕戦でよく見てとれたチームの好材料だ。それを支える走力も、特別な気合いが入るホーム初陣ということを差し引いてもレベルが高く、前半のペース掌握、勝利の一因となった。

 立ち上がりは山形の勢いに苦しんだが、攻勢に転じるきっかけとなったのも、果敢なボール奪取だった。6分、ルキアンが失ったボールを、その瞬間に猛然と前に出た山本がインターセプトで奪い返してそのまま持ち上がり、磐田デビュー戦ながら気の効いた位置取りとはっきりとした裏への動き出しで攻めを牽引した左サイドの大森にパス。そのままゴール前に侵入して大森の折り返しを受けてシュートを放つと、そこから攻撃のギアが一段上がり、磐田がペースを握った。