世の中なにかとギスギスしている。コロナウィルスのせいで、満員電車でくしゃみをしようものなら一斉に睨まれる。マスクもしているし、こちとらただの花粉症だというのに。そのマスクも不足していて、薬局の前には早朝から行列ができる。ニュースでは、その行列に割り込んだ客がいて、取っ組み合いのケンカをしていた。

こんな国はいやだいやだ・・・などと鬱々している時に、辛気臭いドラマなど見たくない。何も考えず楽しませてくれるものにどうしても惹かれる。そこで、「パパがも一度恋をした」だ。

愛する妻・多恵子(本上まなみ)を亡くして3年。そのショックからすっかり引きこもりになってしまった山下吾郎(小澤征悦)を、ひとり娘のトモ(福本莉子)も心配する。そんな2人の前に、ある日、多恵子だと名乗る全裸のおっさん(塚地武雅)が現れた。

塚地のおっさん多恵子は、仕草や喋り方、そして料理の味まで、妻と同じ。だけど見た目はおっさん。そんなわけないと思いつつも、吾郎は徐々に受け入れてしまう。

娘役の福本莉子に注目!長澤まさみ、上白石萌歌に続く正統派美少女

ジャンルとしてはホームドラマ&ラブコメで、笑いあり涙あり。ほんわかとした家族の温かさが感じられ、気持ちがいい。おっさん多恵子を愛しい目で見つめ、なんのてらいもなく「多恵子〜」と呼ぶ吾郎。小澤の真面目さがかえって可笑しい。おっさん多恵子の塚地も本上まなみに見えてくるから不思議である。

麿赤兒演じる吾郎の父タロスケもいい味を出しているし、その従兄弟・菊三を演じるのが大久保鷹というのは、演劇ファンには嬉しい。2人はともに唐十郎の状況劇場の舞台に立っていた時期もあったが、共演は50年ぶりという。有り難いことだ。

娘のトモを演じる福本莉子は2016年「東宝シンデレラ」グランプリを受賞。長澤まさみ、上白石萌歌に続けとばかり、これからますます活躍するに違いない。正統派美少女という感じ。

29日放送の第5回では、多恵子そっくりの女性が現れる。見た目多恵子と、中身多恵子。人は見た目か中身か。吾郎がどう出るのか、気になる。(土曜よる11時40分)             

くろうさぎ