鉄道での感染が心配されているが…(写真はイメージ)

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神奈川県相模原市内で見つかった新型コロナウイルス感染者について、JR横浜線・相模原駅の駅員だとする発表が、第一報の2日後となったことについて、ネット上で批判の声も出ている。

ネット掲示板で情報が「リーク」されたことがきっかけではとの指摘もあるが、JR東日本は、それとは別の理由だと説明している。

市が最初に発表したときは、駅員と明かさず

「JR東日本は隠蔽している」。5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)の新型感染症板のスレッド「【肺炎】2019年新型コロナウイルス総合スレPart14」には2020年2月23日夜、こんな書き込みが行われた。

そこでは、相模原駅員が新型コロナに感染しているとし、同じ人物とみられる連続の書き込みでは、JR東日本の人から入手したとして、「総務・法務戦略部 リスクマネジメントユニット」による22日付メールの文面が投稿された。

文面では、「【危機管理】(再徹底)社員の新型コロナウイルス感染について」と題して、JR東日本の社員への新型コロナウイルス感染が21日に確認されたとして、会社の危機管理本部がこれまでに出した感染症対策の指示を再徹底することなどを求めている。

さらに、この書き込みでは、「社員の新型コロナウイルス感染について(再徹底)」と題した22日付文書も投稿しており、そこでは感染者の社員は50代男性とされていた。

相模原市は22日、検査で陽性が同日に確定して50代男性の感染が確認されたと発表していたが、このときは駅員だと明かしていなかった。

しかし、24日になって、JR東日本とともに、この男性は同社社員だったと発表し、市では、記者会見も行った。市は会見で、JR東日本に駅員だと発表するよう22日から要請していたが、JR側の事情で発表できなかったと説明した。

市「詳細な聞き取りができていなかった」

ところが、相模原市は、2月24日中にこの説明を訂正した。24日付の市のサイトでの発表では、市からJR東日本に発表を正式に要請した事実はなく、患者の家族や職場での周辺調査を行うことなどで、市とJRとの間で連絡調整を行った結果、この日の発表になったとした。

JRとの連絡調整の内容について、市保健所の疾病対策課は25日、J-CASTニュースの取材にこう説明した。

「確かに、22日のうちにJR社員の方と確認していましたが、詳細な聞き取りはできていませんでした。この方が実際にどのような人と接触したか、どんな業務内容だったか、によっては、発表の仕方が異なります。それで、調整に時間がかかったわけです。過剰に情報を出せば、勘違いを招いてしまいますので、中身をきちんと確認しようとしたということです」

JRから発表に難色を示されたことはなく、また隠すようなことでもないとしている。感染経路については、調査中だという。

とはいえ、ネット上では、感染者が駅員だと明かすまでのタイムラグについて、「なんで、すぐ公表しないんだろう?」などと疑問の声が相次いでいる。

JR「自治体が公表すると判断して差し控えた」

発表が2日遅れた理由について、JR東日本の広報部は2月25日、取材にこう答えた。

「自治体が公衆衛生上の必要性とプライバシーのバランスを考慮して公表するものだと判断し、一事業者としての公表を差し控えていました。厚労省は、感染の公表は、自治体が一元的に行い、事業者単独での公表は推奨しないとの見解を示し、会社への指導もありました。相模原市と手続きや情報を共有しようと協議し、指導に基づいて公表しています。公表したのは、公共交通機関であることを踏まえたものです」

どんな協議が行われたのかについては、明かせる内容ではないため具体的なことは言えないとしている。

5ちゃんねるで「リーク」とされたメールや文書が実際にあったかについては、感染症対策の再徹底など社員を指導したのは事実だとしたものの、「個別の内容になりますので、お答えできないです」と答えた。

「リーク」を受けて発表したわけではないとし、隠蔽ではないかとの一部の見方についても否定した。

なお、あくまでも社員感染が分かったのは22日だといい、この社員は、駅のホーム巡回もしていたものの、接客業務には携わっていないと強調した。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)