室田さん

写真拡大

 初対面の女性から職業を尋ねられることは珍しくないが、勤め先や収入まで聞かれるのは別問題。気分を害したり、失礼すぎる質問にドン引きする人も多いはずだ。

◆「どこに勤めているか」で男をジャッジ

「4年前に友人主催の飲み会で知り合ったN美(当時20代半ば)というコもまさにそんなタイプ。本当は緩い感じの集まりだったんですけど、その日が初参加の彼女だけが合コンモード。おかげで場がちょっと変な空気になってました(笑)」

 そう語るのウェブ情報サービス会社を経営する室田誠一さん(仮名・38歳)。20代後半で起業し、この飲み会があった時期にはすでに年収2000万円を突破。ただし、プライベートでは初対面の人間に社長だと明かさず、職業を聞かれても会社員と答えていた。

「一緒に飲んでいた友人たちは私が経営者だと言いたくないのを知っていたので、嘘をついても適当に合わせてくれました。彼女から『どこにお勤めなんですか〜?』ってしつこく聞かれたので、起業前に勤めていた会社の名前を言ったんです。でも、業界内では有名な会社でも一般的な知名度は皆無。彼女も聞いたことがなかったらしく、私への興味を失ったようでした」

 当日着ていたスーツも量販店の既製品で、腕時計も高校時代から愛用している数万円程度の国産メーカー品。身なりは小ぎれいにしていたが見た目で高収入だと判断するのは難しく、N美さんのお眼鏡には適わなかったようだ。

「ロックオンされても困るので助かりましたけどね。この日は友人が彼女のターゲットになったんですけど、スーツに付けていた社章を見て某大企業の社員だと気づいたそうです。後で聞いたら、彼女がいることを話してもお構いなしに2人きりでの食事や飲みの誘いが来たらしく、断るのが大変だったようですけどね」

◆社長だと知ったのか猛アプローチをかけられた

 ところが、飲み会から2か月ほど経ったある日、彼女から室田さんに突然LINEのメッセージが届いたという。

「一応、交換しましたが社交辞令的な挨拶メールをお互い送って終わりだったんですけどね。どこで調べたのか『本当は社長さんだったんですね』って。さすがにこの状況でごまかすのも難しいと思い、正直に話しました。実際、彼女からは『ずっと気になっていたんです!』などの好意を持ってましたアピールがすごかったですしね。飲み会では最初に少し話しただけで、途中からは私のほうを見向きもしなかったのに(笑)」

 N美さんを恋愛対象として見ていなかった室田さんだが、会社で若い女性をターゲットにした事業も扱っていたこともあり、好奇心半分で彼女の誘いに応じる形で一度だけ食事に行くことに。お店は自分で決めてもよかったが、「どこかいい店ない?」とあえて彼女に選ばせたという。

「そうしたらコースで2万円はする高級フレンチの店でした。当日現れた彼女は、バッグにアクセサリー、服や靴などほぼ全身ブランド品。普通のOLだと話していたのに、格好が矛盾していてツッコミどころ満載でした(笑)」

◆あまりに露骨な態度…さすがに無理

 彼女からは「やっぱりタワーマンションとかに住んでいるんですか〜?」「どんな車に乗ってるんですから〜?」など生活レベルに関する質問ばかり。

「確かに、人より収入は多いかもしれませんが、家はタワマンではなく築20年以上の中古マンションだし、車はそもそも持っていません。別荘なんて当然ありませんし、出張の際も新幹線はただの指定席で飛行機はエコノミー。そんな話をすると、露骨にがっかりした表情をしていました」

 それでも絶対に逃したくないと思ったのか「またご飯に行きましょう」などと誘われたが、以降はスルー。あまりにしつこいのでその気がないことを伝えたそうだが、断られた腹いせに「遊ばれた」と周りの人間に言って騒いでいたそうだ。

「それで会社の信用を失ったなどの被害を受けたわけじゃないので放置していましたが、まあ予想通りの行動でしたね。お金目当てのコは結構いますけど、それにしても彼女は思慮が足らなすぎ。もっと狡猾にやらなきゃ誰も引っかからないですよ(笑)」

 世の中、彼女のような金の亡者もいるのだ。男性から同情される時点である意味終わっているような気がするが……。<TEXT/トシタカマサ>

―[シリーズ・加藤紗里みたいな女たち]―

【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。