2020年J1開幕戦。天皇杯王者のヴィッセル神戸が、13年ぶりにJ1復帰を果たした横浜FCをホームに迎えた。

 神戸は、ゼロックススーパーカップ、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)2試合と公式戦3連勝中で好調なシーズンスタートを切っている。逆に横浜FCは、ルヴァンカップ初戦でサンフレッチェ広島に0−2と敗れており、しかもその試合内容は点差以上の完敗だった。

 試合は大方の予想どおり、神戸が主導権を握り、横浜FCがしっかりとブロックを作って対応する展開になった。お互いにチャンスを作れないまま試合は進み、均衡を破ったのは横浜FCだった。


中村俊輔(横浜FC)らの厳しいチェックに合うアンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)

 前半24分、左サイドバックの志知孝明が長い距離をドリブルで進み、深い位置から折り返すと、こぼれ球を瀬古樹が流し込んで先制する。

 神戸は横浜FCのブロックを崩せず、前半20分にセルジ・サンペールの縦パスを藤本憲明がフリックして古橋亨梧がシュートを放つが、GK六反勇治に阻まれる。31分には、左サイドでアンドレス・イニエスタからのスルーパスに古橋が反応、シュートを放つが、これも六反のファインセーブに阻まれる。神戸はボールをキープしているものの、大きなチャンスを作れないまま前半を折り返した。

 後半に入っても、横浜FCの堅い守備を崩せない神戸は、後半12分、藤本に代えてドウグラス、郷家友太に代えて小川慶治朗を投入し、勝負に出る。後半20分にはペナルティエリア外からイニエスタがミドルシュートを放つが、これはクロスバーに嫌われる。その直後、横浜FCにビックチャンスが訪れる。カウンターから中山克広が中央突破し、右の一美和成にパス。GKと1対1になったものの、前川黛也がセーブしゴールを逃れた。

 時間が経つにつれ、横浜FCにミスが増え、寄せも甘くなっていく。すると後半29分、サンペールのスルーパスから抜け出した古橋がゴールを決め、神戸が同点に追いつく。さらに後半34分には、相手のミスからドウグラスがGKと1対1になるが、これは決めきれなかった。その後も神戸はイニエスタを中心にチャンスを作るが、最後まで決めきれず、試合は1−1のドローで終わった。横浜FCはアウェーで貴重な勝ち点1を奪った。

 この試合で、いい意味で期待を裏切ったのはイニエスタだった。

 昨季のプレーぶりを見ていても、卓越したテクニックを連発するとはいえ、現在35歳という年齢から、シーズンを通してコンスタントに活躍するのは難しいと思われた。今季、神戸にはJリーグのほかにACLがあり、その両方をこなすのは年齢的な不安もあり、至難の業だろう。途中交代、ベンチスタートも含めて、その使い方を考えなければいけないはずだった。

 ところが今季ここまで、2週間で4試合の公式戦すべてに先発出場。横浜FC戦は、19日のACLアウェー水原三星戦に続き、中3日での連続フル出場だった。そしてこの試合では、後半35分が過ぎても、ペナルティエリア内で驚異的なキープ力を見せ、シュートを放ち、決定機を作り出していた。

 ACL出場も大きなモチベーションになっているのかもしれない。今季もイニエスタから目が離せない。