1トップで奮闘したガンバ大阪FW宇佐美貴史

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[2.23 J1第1節 横浜FM1-2G大阪 日産ス]

 王者相手に鮮烈な勝利を収めたガンバ大阪だが、FW宇佐美貴史が感じていたのはチームの「伸びしろ」だった。「思ったより持たれたし、思ったより主導権とか支配率とか……。ビルドアップをした回数もほとんどないんじゃないかというくらい相手に主導権を握られて、やられたなという感じ」。ここから目指すは自ら主導権を握っていくより攻撃的なサッカーだ。

 昨季のJリーグを制した横浜F・マリノスとの一戦、G大阪は入念に準備してきた4-1-4-1のシステムで試合に入った。1トップの宇佐美を最先鋒と位置付け、前線からのプレッシングで相手のビルドアップを寸断し、素早い攻撃でゴールを陥れるという狙いだ。

 宇佐美が「ゴールシーンについては狙いどおり」と話したように、相手ビルドアップのミスにつけ込んだ1点目、ハイラインの裏にロングフィードを配給した2点目と、いずれの得点も準備してきたものだった。しかし、試合全体のコントロールに話が及ぶと、選手たちからは課題の指摘も相次いだ。

 まず十分に機能したと思われたハイプレッシャー戦術だが、相手のトップ下を担うMFマルコス・ジュニオールが広範囲に動くようになって以降は対応に苦慮していたという。そこで前半途中、アンカーのMF遠藤保仁を中心とした発案で、MF矢島慎也をトップ下とする4-2-3-1の布陣に変更。ある種の「付け焼き刃」的な対応だった。

 もっとも、こうしたピッチ内の修正は宮本恒靖監督も求めていたもの。宇佐美も「自分たちで中で話せるし、ツネさんも中でやっている選手たちで決めることを望んでいるし、求めている。自分たち発信で変えていけるのは強みかなと思う」と語る。一方、準備していなかったブロック守備に切り替えたことで、なかなか攻撃のスイッチを入れられない苦しさもあった。

「練習からやり方は臨機応変にしようと話していたし、前からハメに行くことも要所要所でやるけど、一回前に来させて自陣でブロックを組んで守るのもいいんじゃないかという話を全員でした。もちろん行く時と、そうする時と、相手に点を与えるまではしっかりできた」。そう手応えを口にした宇佐美も、次のような課題を指摘した。

「課題としてはあれだけ回されて、ボールを保持されて、どうやって保持し返すか。あのまま受け切って、守り切ってでもいいけど、それはチームの伸びしろはない。個人的にもチームとしてもそういうサッカーはやりたくない。どちらかというと相手が今日やっていたような、ボールを保持して、いろんなアイデアが出せて、ボールタッチ回数が全員がたくさんあってというサッカーをしたい。相手がそういうプレーをしてきた時、どうやってゾーンを上げていくかが課題。そこが伸びしろかなと思う」。

 キャンプから積み上げてきた入念な準備と「ギリギリのところで身体を投げ出したり、GKを含めて必死さがあった」(宮本監督)ことで掴んだ開幕白星。だが、2014年以来の戴冠を狙うチームはここで進歩を止めるつもりはない。

(取材・文 竹内達也)